1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉村 篤司 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (70159234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 太郎 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (10252305)
藤墳 規明 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60101268)
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Keywords | 筋紡錘 / グリコーゲン / トレッドミル運動 / 骨格筋 / ミオシンATPase |
Research Abstract |
目的:強度の高いトレッドミル運動をラットに負荷した時に、筋紡錘の各錘内筋線維がどのように動員されているかを、それらを含む骨格筋線維型の使われ方と比較、検討することであった。 方法:8週齢ウィスター系雄ラットを用いた。強度の高いトレッドミル走に慣れさせるために、すべてのラット(コントロール群および運動実施群)は、4週間のトレーニングを実施させた。筋紡錘は遅筋型であるヒラメ筋と速筋型の代表である長指伸筋に含まれるものについて調べた。錘内筋線維型および骨格筋線維型は、凍結切片作成後、酸とアルカリ性処理後のミオシンATPase活性の染色パターンから分類し、それらの線維型の使われ方の判定は、組織切片上の各線維型のグリコーゲン量を組織化学的手法と画像解析システムによって測定し、コントロール群の各線維型の値と比較することにより算出した。 結果:4週間のトレーニング後、運動実施群のすべてのラットは、毎分40m(傾斜角度6度)のスピードで4分間トレッドミルを走行することができた。運動実施群のヒラメ筋グリコーゲン量は、コントロール群の値の約85%、長指伸筋では約12%のグリコーゲンが減少することが生化学的測定で判明した。この減少率は、組織化学的手法と画像解析システムを用いて測定された両骨格筋におけるグリコーゲン染色強度の減少率とほぼ一致し、本実験で用いた方法は各線維型のグリコーゲン枯渇量を正確に反映していることが示された。運動実施群における骨格筋の各線維型のグリコーゲン量の減少は、統計的には有為ではないものの、ヒラメ筋では中間型であるタイプIIAが遅筋型であるタイプIより大きく、長指伸筋では中間型であるタイプIIAが速筋型(IIB)や遅筋型(I)より大きいことが示された。一方、筋紡錘のグリコーゲンは、すべての錘内筋線維において、長指伸筋よりヒラメ筋の方が大きく枯渇した。また、錘内筋線維型のグリコーゲン量は、各線維の減少量に有為な差は見られなかったものの、ヒラメ筋の筋紡錘では、核鎖線維、長指伸筋では、II型核袋線維のグリコーゲン量が最も減少していた。これらの結果は、強度の高いトレッドミル運動においては、ヒラメ筋筋紡錘では核鎖線維、長指伸筋筋紡錘ではII型核袋線維が最も使われていることが示唆された。
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