青少年の運動能力をいかに伸ばすか-骨密度、基礎体力から見た適正トレーニング処方

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08680131
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: National Institute of Fitness and Sports in Kanoya
• Principal Investigator: 西薗 秀嗣 鹿屋体育大学, スポーツトレーニング教育研究センター, 教授 (10125338)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 金高 宏文 鹿屋体育大学, スポーツトレーニング教育研究センター, 講師 (40214928) ; 會田 勝 鹿屋体育大学, 副学長 (20014706)
• Keywords: 青少年 / 発育期 / 骨密度 / 基礎体力 / 形態 / 有酸素性パワー / 無酸素性パワー

Research Abstract

発育期の青少年にとって運動・スポーツは、基本的欲求の一つであり、成長発達にとって必要不可欠のものである。その一人々々の発育段階に応じて、長期にわたる一貫したトレーニング法を研究・開発することが本研究の主要な目的である。本年度は3年度計画の2年目で、発育期(中学・高校生期)の基礎体力の縦断的測定を実施し、さらに基礎体力を規定する形態、筋力、運動能力について新しく測定した。被検者は12から17歳までの特定の部活動(球技:バレーボール)に所属しており、地方都市の鹿屋市と離島地域から沖永良部島の中学生・高校生男子を対象とした。昨年度と同様、身長・体重・除脂肪体重、有酸素性パワー及び、無酸素性パワー、脚伸展パワーを測定した。今年度はさらに、下腿長・下腿周径位、それに超音波(Aloka社、SSD-500)法によるヒラメ筋、腓腹筋腱長及びアキレス腱の幅、厚さを計測した。また等速性のConcentric及びEccentric筋力を60度/秒の速度で測定し、跳躍能として連続ジャンプの跳躍高を測定した。昨年度と同じ測定項目については2年目の縦断的測定で各測定値も順調に伸びている。中1から高3までの横断的データでは、ヒラメ筋、腓腹筋腱長及びアキレス腱の幅、厚さについて特徴的な増加が認められず、筋腱複合体としての腱部分がこの時期には形態的に増加が少ないことが示唆された。等速性のEccentric筋力、ジャンプの跳躍高は年齢と共に増加した。今後、3年目の測定を行い、各測定項目での年間増加量を求めながら、実施しているトレーニング計画との比較、競技成績等の面も考慮しながらトレーニング方法等について考察を加えたい。

Research Products

• [Publications] 濱田幸二他: "「スポーツビジョン」に関する研究" 鹿屋体育大学 学術研究紀要. 17. 7-12 (1997)
• [Publications] 大金 雅子 他: "高齢者の直立姿勢制御の特徴" スポーツトレーニング科学. 2(印刷中). (1997)
• [Publications] 奥脇 透、西薗秀嗣: "成長期における下腿三頭筋の形態的特徴について" スポーツトレーニング科学. 2(印刷中). (1997)
• [Publications] Nishizono,H.et al.: "Muscle activation patterns and performance during succesive jumps on a variously inclined platform." XVI Congress of the International Society of Biomechenics. 107 (1997)
• [Publications] 近 元弘, 西薗秀嗣: "等速性エキセントリックトレーニングにおける筋力と筋の形態的変化" 第50回日本体力医学会大会予稿集. 257 (1997)
• [Publications] 金高宏文 他: "小学校から中学校までのリバウンドジャンプ力の横断的な発達" 第9回トレーニング科学研究会抄録集. 25 (1997)
• [Publications] 西薗秀嗣: "トレーニングの基礎と応用-成長期のスポーツトレーニングをめざして" 鹿屋体育大学スポーツトレーニング教育研究センター, 300 (1997)