1997 Fiscal Year Annual Research Report
長期間の習慣的な運動が中高年者の成人病危険因子および体温調節能に及ぼす影響
Project/Area Number |
08680133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
寄本 明 滋賀県立大学, 国際教育センター, 助教授 (30132278)
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Keywords | 習慣的な運動 / 成人病危険因子 / 体温調節能 / ウォーキング |
Research Abstract |
中高年者にとっては,安全で効果的な運動としてウォーキング運動があげられる.このウォーキングは日常生活における基本的な身体動作で,誰にでも安全に行える有酸素運動である.本年度は,100日間のウォーキング運動が形態,血清脂質および体力値に及ぼす影響を観察し,中高年者の生活習慣病危険因子に及ぼす影響を検討した. 中高年女性214名を対象に運動強度50%HRmax程度のウォーキング運動を100日間,1日20分間以上,週3日以上実施した際の生理的な効果について血清脂質および体力値の変化から以下のような結果が得られた. ウォーキング実施により体重は変化しなかったが,体脂肪率は有意な低下を示し,体脂肪量が減少した.血清脂質において,TC,TG,AIの値はウォーキング運動期間後に有意に低下を示したが,HDL-Cでは差が認められなかった.TC,TG,AIの低下はウォーキングの習慣化により動脈硬化を予防し,心血管系に対する効果が期待でき,虚血性心疾患や動脈硬化等の心血管系の疾患の予防に寄与することが示唆された. 体力測定において,握力,立位体前屈,閉眼片足立ちはウォーキング期間後に前と比べて有意に高い値を示し,全身反応時間および最大下作業時の心拍数は有意に低値を示した.ウォーキング運動実施により筋力,柔軟性,平衡機能,敏捷性,持久性の機能向上が認められた. これらのことより、ウォーキングのような比較的軽い運動であっても習慣化することにより,中高年者にとっては成人病予防としての効果は十分期待でき,運動の習慣化は運動条件の中でも重要な要素であると考えられる.
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Research Products
(2 results)