1996 Fiscal Year Annual Research Report
血中乳酸濃度を指標とした有酸素的能力評価方法の効率化の検討
Project/Area Number |
08680148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
里見 潤 立命館大学, 理工学部, 助教授 (50205986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊坂 忠夫 立命館大学, 理工学部, 助教授 (30247811)
岡本 直輝 立命館大学, 文学部, 助教授 (10204041)
佐藤 善治 立命館大学, 文学部, 教授 (70102762)
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Keywords | 乳酸 / 有酸素的能力 |
Research Abstract |
Costillらが提案している「単一固定設定強度での運動負荷テストでの血中乳酸濃度測定による有酸素的能力の評価の方法」の実用化に向けた検討を行うために,平成8年度に持久的種目のスポーツ選手を対象を対象にし,以下の2つの内容の測定を実施した. (1)漸増動負荷テストにより,乳酸濃度強度曲線を求め,それに基づき「乳酸閾値」以上の乳酸濃度2mmol/1,3mmol/1,4mmol/1に相当する強度を算出し,同時に最大酸素摂取量の測定を行う.(2)3種類のそれぞれの乳酸濃度に相当する単一固定設定強度で10分間の運動を行う.運動負荷中および運動負荷後(10分まで)に乳酸,血液ガス・電解質パラメーター,呼気ガスパラメーターおよび心拍数の測定を行う. 現在までに得られている結果から,持久的種目のスポーツ選手のトレーニングに伴う持久的能力の変化を定期的にチェックするための「単一固定設定強度での運動負荷テストでの血中乳酸濃度測定による有酸素的能力の評価の方法」の負荷の設定強度として漸増負荷テスト(3分ごとの負荷漸増)によって得られる乳酸濃度3mmol/1相当の強度を目安とすることが妥当であると考えられる.ほとんどのケースで,この強度設定による単一固定設定負荷での10分間運動で,3.0〜4.5mmol/1の範囲の乳酸値が得られている.ただし,乳酸の安静値や漸増負荷テストで得られる最高乳酸濃度にかなりの個人差があり,単一固定設定強度での運動負荷テストの強度設定に際して,乳酸の安静値や最高乳酸濃度などを含めた個々人の乳酸濃度-強度曲線の特徴をどのように考慮すべきかは今後の検討課題として残されている.平成9年度は,これらの検討をさらに進めるとともに,「単一固定設定強度での運動負荷テストでの血中乳酸濃度測定」の年間トレーニング中の定期的実施における有用性と実用化の可能性についての検討をケーススタディーを通して進める.
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