1998 Fiscal Year Annual Research Report
生涯スポーツ振興戦略としての国民体育大会の役割について
Project/Area Number |
08680151
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
原田 宗彦 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (70189710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長積 仁 徳島大学, 総合科学部, 講師 (80274190)
藤本 淳也 大阪体育大学, 体育学部, 講師 (40257895)
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Keywords | スポーツ振興 / 国民体育大会 / スポーツイベントの波及効果 / 地域振興戦略 / まちづくり |
Research Abstract |
本研究の目的は、1997年に大阪府で開催された「なみはや国体」を事例にとり、国体というスポーツイベントの性質を踏まえた上で、国体が開催地域に及ぼした社会的影響を縦断的かつ総合的に分析し、国体という国内最大級のスポーツイベントの果たすべき役割とポスト国体における地域のスポーツ振興に関する戦略的課題について検討することにある。具体的には、国体が開催される前年と国体開催直後の2年間に及ぶ縦断的な調査に基づく大阪府民の意識の変遷と、なみはや国体及び過去の国体開催地域における国体後の地域スポーツ振興の現状と課題について明らかにする。平成10年度に関しては、なみはや国体及び過去に国体が開催された地域にまでさかのぼり、国体開催後における地域スポーツ振興の現状と課題を探るためのケーススタディを行った。その対象地域は、1993年開催の香川・徳島の両県(東四国国体)、1994年開催の愛知県(わかしゃち国体)、1995年開催の福島県(ふくしま国体)、1996年開催の広島県(ひろしま国体)、そして本研究の核である1997年開催の大阪府(なみはや国体)である。データ収集に関しては、国体局が国体開催後に解散してしまうために、国体後のスポーツ振興を担っている教育委員会関連部局に所属する担当者に対するヒアリングと関連資料の収集によって行った。そしてこれらの結果と過去2年間における調査結果も含め、本研究から得られた知見を3年間の成果として報告書にまとめた。その報告書では、現在の国体が抱える問題点を整理し、今後の国体のあり方をスポーツ振興とまちづくりという視点から検討を加えた。特に報告書の中では、国体が地域に残した「スポーツ・レガシー(遺産)」をどのように豊かな社会づくりにいかしていくかが、国体の将来を考える上で重要な切り口になると考え、最後に幾つかの提言を試みた。
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