1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680167
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森川 洋 広島大学, 文学部, 教授 (70040706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作野 広和 広島大学, 総合地誌研究資料センター, 助手 (50284146)
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Keywords | 地誌学 / 地域 / 地域構造 / 社会的有用性 / 社会・空間関係 / 自然・社会関係 / 世界システム / ドイツ地理学 |
Research Abstract |
最近の地誌学に関する研究論文を前もってある程度研究した上で,具体的な質問項目をもって,昨年11月にオランダ・ユトレヒト大学のフックフェルト教授,デュースブルク大学のブロ-トフォーゲル・フリュヒタ-両教授,ライプチヒの地誌研究所のマイヤー所長を訪問し,ドイツにおける地誌学の研究動向について意見を聴取した.これまでの書簡交流や書物の研究とは異なって,新鮮な研究成果をうることができた.特に,オランダとイギリスの地誌研究は一体的には行われていないこと,オランダを含めた英語圏諸国の研究とドイツ語圏とでは地誌研究の方法や目標において大きな差異があること,ドイツではイギリスのような地誌学の理論的研究は活発ではないが,新たに創設された地誌研究所などを中心として激動するヨーロッパ地域に関する実証的な地誌研究が行われており,地誌は個性追求的アプローチというよりも地域構造の解明を目的としたものであること,したがって,地理学の一般的研究ときわめて近い関係にあること,しかし英語圏の研究成果を導入するかたちで,地域に関する活発な議論が展開していることなどが明かとなった. こうした訪問成果に基づいて,「ドイツにおける地誌研究の動向」を執筆し,今月中に刊行される予定である.当初予定していた欧米地理学者へのアンケート調査は今年度は実施しなかった. また,分担者作野は国内外における地誌書を調査し、近年の地誌学の研究動向を整理した.
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