1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
砂村 継夫 筑波大学, 地球科学系, 教授 (00011164)
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Keywords | ビ-チカスプ / 室内実験 / 野外実験 / CCDカメラ |
Research Abstract |
本研究の目的は,ビ-チカスプの形成過程に関する野外実験を実施し,カスプが形成されるまでの時間的変化を連続して調べることによって,入射波浪・堆積物・地形の相互の関連性を探究し,カスプ地形形成の原因を明らかにすることにある。このためには,まず,カスプ地形の発達状況を連続して記録するシステムを確立した。このシステムは,カーボン繊維製の軽量な竿の先端にCCDカメラを吊るし,これがとらえた映像を地上のビデオレコーダーに記録するもので,野外実験を実施する前に室内の三次元水槽を用いてカスプ発生から発達に至るまでの過程をこのシステムを用いて連続撮影するを試みた。その結果,かなり解像度の良い画像がえられ,野外においても充分実用に供することがわかった。本年度の当初の計画にはなかったが,このシステムを用いて,実験室においてカスプ発生のメカニズムに関する予察的研究を行った。この研究は,野外実験の実施とその結果を考察するうえで必要と考えたからである。実験室においては,(1)カスプは沿岸方向に同時に形成されるのではなく,スオッシュパターンが乱れた所に一対のカスプが形成され,それが沿岸方向に徐々に伝播していくこと,(2)カスプの発生以前には必ず直線的なステップが水面下に形成されていること,などが明らかとなった。野外における予備実験は琵琶湖の近江舞子,猪苗代湖の長浜,真鶴半島の番場浦の三ケ所で実施したが、番場浦を除いてデータ採取に値する明瞭なカスプの発生は見られなかった。番場浦のデータは現在解析中である。
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[Publications] Aoki, H and Sunamura,T.: "A laboratory experiment of formation of beach cusps" Trans. Japan. Geomorphological Union. (予定).
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[Publications] Sunamura,T. and Aoki,H.: "A field experiment on beach cusps: methodology" Trans.Japan. Geomorphological Union. (予定).