1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680201
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
今井 敏博 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (20211063)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 英雄 和歌山大学, 教育学部, 教授 (20107999)
遠藤 秀機 和歌山大学, 教育学部, 教授 (90031799)
福井 誠一 和歌山大学, 教育学部, 教授 (50031795)
|
Keywords | 問題解決の構え / 思考 / 数学教育 |
Research Abstract |
本研究課題である数学教育における問題解決の構えについて、次の2つの点に焦点を合わせて、本年度の研究を進めた。1つ目は、問題解決の構えをブレイクして思考することのタイプについての研究であり、2つ目は、問題解決の構えをブレイクして思考することの過去の経験の効果についての研究である。 1つ目の研究については、問題解決の構えをブレイクして思考することのタイプとして、くり返しの慣れによる問題解決の構えをブレイクすることと、ひらめきや洞察により問題解決の構えをブレイクすることの、2つのタイプについて、先行研究をもとに、思考の様相を考察した。また、中学生と大学生への調査を実施し、その結果から、2つのタイプの問題解決の構えをブレイクして思考することの実態を調べた。 2つ目の研究については、くり返しの慣れによる問題解決の構えについての2つの問題を準備し、中学生と大学生に2つの問題を行わせる場合と1つたけ問題を行わせる場合の調査を実施した。その結果、中学生も大学生も2つの問題を行った被験者の方が、1つの問題を行った被験者よりも、問題解決の構えをブレイクして思考する傾向があることを見出すことができた。すなわち、くり返しの慣れによる問題解決の構えをブレイクして思考することについては、過去の経験の効果があり、これは数学教育実践への適用が可能であることを示している。 これら2つの観点からの研究結果の知見をもとに今後さらに発展させていきたいと考えている
|
-
[Publications] 今井 敏博: "問題解決の構えをブレイクして思考することの2つのタイプについて" 第20回近畿数学教育学会例会発表論文. (1996)
-
[Publications] 今井 敏博: "問題解決の構えをブレイクして思考することの過去の経験の効果について" 日本数学教育学会第29回数学教育論文発表会論文集. 457-462 (1996)
-
[Publications] 今井 敏博: "問題解決の構えをブレイクして思考することについて" 近畿数学教育学会会誌. 第10号. 1-8 (1997)