1996 Fiscal Year Annual Research Report
幼稚園教員の環境問題・環境教育に対する意識と実態の調査研究
Project/Area Number |
08680212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Himeji Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
井上 美智子 姫路学院女子短期大学, その他, 助教授 (80269919)
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Keywords | 保育者養成系短大生 / 環境問題 / 自然 / 関心と実践 / 環境教育体験 |
Research Abstract |
今年度は、来年度実施予定の本調査のプリテストとして保育者養成系短大生対象に環境問題や自然に対する関心と実践、及び、環境教育体験に関する調査をおこなった。調査方法は質問紙によるもので、福岡県内のA短大幼児教育科1回生145名と兵庫県内のB短大児童教育科1回生176名の計321名を対象とし、1996年に10月に実施した。 結果は以下の通りである。(1)保育者志望短大生の環境問題への関心は高いが、環境に配慮した生活はあまりしていない。(2)自然は好きだが、自然とふれあう生活はしていない。(3)環境教育はまだ3割弱程度の学生しか経験したという意識をもっていない。(4)学校教育の中で自然との関わりは小学校では高いが、中学校・高等学校と進むにつれ少なくなり、反対に環境問題や環境に配慮した生活を取り上げる割合は中・高の方が高い。(5)学校での教科外活動は授業の中での経験よりも豊かで、廃材利用の活動や地域環境を知る活動、自然に親しむ活動はかなり経験している。(6)地域での活動は廃品回収運動と自然に親しむ活動にとどまっている。(7)保育職への志望度と質問項目との相関はなく、特に自然や環境問題への関心が高い者が保育職を志望しているわけではなかった。 以上の結果を保育者養成という視点で見た場合、自然との関わりの実践度が低いことは問題である。高校までで非日常的なものとなってしまっている自然との関わりを日常的なものへと発想転換できるような授業が必要である。また、環境問題への関心は高くても、実践度が低いようでは、環境教育を保育実践の場に導入する際には資質不足である。保育の場における環境教育では、保育環境の一要素としての保育者の言動が重要なのである。養成校は、この上記の2点から保育者養成における環境教育を検討すべきであろう。
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