1998 Fiscal Year Annual Research Report
環境倫理の視点形成を主眼とした社会科環境教育の確立のための基礎的研究
Project/Area Number |
08680261
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
松本 敏 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (10199870)
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Keywords | 環境教育 / 環境倫理 / 社会科教育 |
Research Abstract |
本研究は、近年関心の高まっている環境教育について、社会科教育の立場から、その基礎的文献を整理し、なかでも、社会科教育の分野として期待されている環境倫理の視点形成を、どのように教科内容に位置づけたらよいかを考えるための、基礎的作業を行うところに目的がある。 平成8年度および9年度において、研究に必要な文献を収集し、分類作業を行ってきた。 これまでに明らかになった暫定的な知見は次のとおりである。 1. 環境倫理およびその教育に関する関心は年々高まっており、次第に多くの学問分野からこの問題にアプローチする研究が出てきている。 2.環境倫理は単に哲学・倫理学の内部に閉じた研究領域ではなく、法律学・政治学・経済学・社会学等のそれぞれの分野における科学的思考方法を基に検討していかなくてはならない問題である。 3. 教育の分野では、環境倫理を個人的モラル、いわゆる「個人の心掛け」の問題と考える研究者が比較的多く、社会科学的な思考方法に基づいて論理的に構築するものと考える研究者は少ない。 4. しかし、社会科学的思考方法を訓練することなしに社会科環境教育における環境倫理の視点形成はありえないと考えられる。 平成10年度は引き続き文献収集を行ったが、研究のとりまとめに至っていない。平成11年度において上記2および3の結果をデータベースにまとめるとともに、上記4にあげた方向で、環境教育のための提言を含めて報告書を完成させたい。
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