1996 Fiscal Year Annual Research Report
造形活動における子どもの発達的特性をふまえた鑑賞教育の方法論に関する研究
Project/Area Number |
08680262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
新井 哲夫 群馬大学, 教育学部, 助教授 (40222715)
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Keywords | 開かれた鑑賞 / 視覚的イメージ / 造形的語彙 / 鑑賞の学習過程 / 鑑賞教育の方法 / 題材化の視点 |
Research Abstract |
1.文献資料の収集と施設設備の改善 初年度である平成8年度は、文献資料の収集と分析を中心に、次年度以降の活用をにらんだコンピュータ関連機器の充実など、施設設備の改善を図った。文献資料の収集と分析に関しては、入手の容易な発行年の新しい文献を中心に行った。 2.鑑賞教育研究のための基礎的考察 文献収集および施設設備の改善と平行し、鑑賞教育の理念・目的・方法等について、実践的な観点からの基礎的考察を行い、「図画工作・美術科における鑑賞教育の可能性」(『群馬大学教育実践研究』第14号,1997)にまとめた。その中で検討した問題は、従来の表現・制作 VS.鑑賞という二分法にとらわれたスタティクで受動的な鑑賞を越える鑑賞教育の在り方である。現時点ではまだ素描の域にとどまるが、鑑賞活動を、表現=制作とともに身近な日常世界から歴史的な芸術作品まで通底する「視覚的イメージの形成と解読」にかかわる創造的活動として位置づけ、その方法を明らかにしようとするものであり、従来の固定し、閉ざされた鑑賞に対して、児童・生徒の能動的な参加と、児童・生徒の身近な生活世界へのフィードバックを重視する、ダイナミックなそして開かれた鑑賞の可能性を探るものである。
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