1997 Fiscal Year Annual Research Report
造形活動における子どもの発達的特性をふまえた鑑賞教育の方法論に関する研究
Project/Area Number |
08680262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
新井 哲夫 群馬大学, 教育学部, 助教授 (40222715)
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Keywords | 指導事例の分析 / 題材化の視点 / カリキュラム編成上の課題 / 発達レベルに即した鑑賞 / 指導モデル |
Research Abstract |
1.鑑賞教育における題材化及びカリキュラム編成に関する実践的課題の検討 鑑賞指導は、これまでともすると鑑賞教育全体を通底する理念や展望を欠いた単発的な題材の展開に終わりがちであった。表現・制作中心の美術教育観や、鑑賞の対象はア・プリオリに価値の高いものであり、その価値に頭を低くして接することが重要であるという鑑賞活動に対する狭隘な通念の下で、鑑賞教育の理念や方法に対する自覚的な検討が、少なくとも教育現場では十分に行われずに今日に至っている。 したがって、鑑賞教育の理念や方法を子どもの発達段階や美術教育の実践的な問題に配慮しつつ明確化することが急務といえるが、平成9年度上半期は 実際の鑑賞教育に関わる指導事例の分析を通して、図画工作・美術科における鑑賞指導の題材化の視点及びカリキュラム編成に関する実践上の課題について検討し、「子どもの感覚や判断力に働きかける鑑賞指導の試み-図画工作・美術科における鑑賞教育の可能性(2)-」(『群馬大学教育実践研究』第15号,平成10年3月発行予定)にまとめた。 2.鑑賞教育に関する授業モデル及びカリキュラム案の作成 さらに下半期には、児童・生徒の発達レベルを「小学校低学年「同中学年」「同高学年及び中学校低学年(1年)」「中学校高学年(2・3年)」の4つに区分し、それぞれの発達レベルに即した鑑賞教育の授業モデルとカリキュラム案の作成を行い、「図画工作・美術科における鑑賞指導モデルとカリキュラム」(『美術教育ぐんま塾年報'97』平成10年3月発行予定)にまとめた。 上のモデル及びカリキュラムは、単発的なものに終わりがちであったこれまでの鑑賞指導に対して一つの手がかりを与えようとするものであり、同時に、来年度小・中学校の研究協力者に対して授業実践を依頼する際の基本的な資料となるものである。
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Research Products
(2 results)