1998 Fiscal Year Annual Research Report
消費者教育における科学的概念に関する国際比較研究-日本とフランスについて
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08680263
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
上里 京子 群馬大学, 教育学部, 助教授 (80202448)
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Keywords | フランスの消費者教育 / フランスの家政教育 |
Research Abstract |
フランスの家政教育における消費者教育の「科学の論理」による構想化の特徴と問題点を明らかにすることを目的として、高等教育に接続しているリセ(後期中等教育段階)における教科; Vie familiale et sociale(社会と家族の生活)の消費者教育に関する内容について分析、考察を行った。 Vie familiale et socialeの消費者教育的内容は、消費と経済生活、製品の知識、販売の規則、サービスの知識、住宅取得、レジャーとバカンス、消費者の情報、所得、家計、支払い方法、信用取引 から構成され、それらに関する広範で、高度に専門的な自然科学および社会科学の知識や日常生活において活用可能な具体的な情報が中心となっている。 フランスにおける家政教育としての消費者教育に関する教育内容の特徴は、(1)消費を資源利用分野であり、国家経済においても非常に重要であると位置づけ、それらに関する自然科学・社会科学の知識と情報の提供を基盤としている、(2)それらに基づく生活現象の認識と日常生活において有効に資源を活用するための自己決定、価値判断ができる学カの形成をねらいとしているところにあるといえる。 したがって、教育内容の普遍性は「広範で高度に専門的な科学の根拠づけ」がなされている点、さらに「日常生活における科学の応用をねらいとすることによって、担い手の大衆性を保証」している点であると考えられる。
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