1996 Fiscal Year Annual Research Report
家庭科における学習が食生活に対する意識や価値観の形成に及ぼす影響
Project/Area Number |
08680274
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
矢野 由起 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (00140054)
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Keywords | 家庭科 / 家庭科教育 / 学習 / 食生活 / 意識 / 価値観 / 生活経験 |
Research Abstract |
本研究は、家庭科における学習が食生活に対する意識や価値観の形成にどのように関わっているかを明らかにすることにより、家庭科における教育効果の検証を行うことを目的としている。そのため、小学生、中学生、高校生および大学生を対象に食生活に対する意識調査を行うとともに、学習経験、知識や技能の習得状況、生活経験および家庭環境を併せて調査することにより、食生活に対する意識や価値観がどのように形成され、そしてそれがどのような要因により影響を受けているのかをみる。 本年度はまず、食生活に対する意識・価値観の質問項目を設定するために、先行研究および大学生を対象としたアンケート調査により食生活に対する意識・価値観に関する多くの意見を収集した。それらの意見をKJ法により分類し、35項目の質問項目を設定し、それについて大学生を対象に、5件法で回答を求めた。その結果、「健康に気をつけて食事をするべきだ」「料理が上手になりたい」「栄養のバランスを考えて食べるべきだ」などに対する支持率が高く、健康志向が強いことが明らかとなった。意見の分かれた項目は、「食事作りに時間や手間をかけたくない」「食べられなければ残してもよい」「おいしければ行列をしてもよい」「食べたいときに食べたいものを食べればよい」など、直接健康や栄養に関わらないものであった。さらに、35項目について因子分析を行った結果、食生活に対する意識・価値観に関する因子として、「コミュニケーション」、「健康」、「量」、「食事を楽しむ」、「合理性」、「計画性」、「手作り」、「経済性」の8因子が抽出された。8因子までの累積寄与率は55.5%であった。来年度は、これらの因子と学習経験、生活経験や家庭環境との関連を検討する。
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