1997 Fiscal Year Annual Research Report
家庭科における学習が食生活に対する意識や価値観の形成に及ぼす影響
Project/Area Number |
08680274
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Research Institution | Shiga Univ. |
Principal Investigator |
矢野 由起 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (00140054)
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Keywords | 家庭科 / 家庭科教育 / 食生活 / 意識 / 知識 |
Research Abstract |
本研究は、家庭科における学習が食生活に対する意識や価値観の形成にどのように関わっているかを明らかにすることにより、家庭科における教育効果の検証を行うことを目的としている。そのため、本年度は、小学生、中学生および高校生を対象に食生活に対する意識調査を行なった。なお、食生活に対する意識や価値観については、食生活に対する意見を提示し、5件法で回答を求めた。その結果、「きらいなものは残してもかまわない」「好きなものだけを食べたい」「健康を考えればきらいなものでも食べるべきだ」「1日3食きちんと食べたい」「毎日ちがうものを食べたい」の項目では、学校段階間で有意な差がみられず、小学校段階からすでに、健康のことを考えて食事をするべきで、好きなものだけを食べていればいいとは思っていないことが明らかになった。また、 「食事の時間を楽しみにしている」「食事をするとほっとする」の項目では、学校段階間で有意な差がみられ、学校段階があがるにつれ「そう思う」と回答する者が多くなった。「早く食べて遊びたい」や「食べ物に興味がない」の項目においても、学校段階間で有意な差がみられ、「そう思う」と回答した者は学校段階か低いほど多かった。これらのことから、学校段階があがるにつれて、食事に対し生理的な満足感だけではなく、精神的な側面も重視するようになることが示唆された。さらに、各学校段階別に食生活に対する意識や価値観の項目について因子分析を行った結果、「健康」因子は各学校段階において共通に抽出されたが、「量」因子は小学生においてのみ抽出され、食生活に対する意識や.価値観の因子構造は、学校段階によってちがいがあることが明らかにされた。
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Research Products
(1 results)