1997 Fiscal Year Annual Research Report
中学校社会科教師のコミュニケーション能力促進のための訓練プログラムの開発
Project/Area Number |
08680288
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Research Institution | OSAKA KYOIKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木下 百合子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10169914)
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Keywords | 社会科教育 / コミュニケーショントレーニング / コミュニケーション活動 / コミュニケーション能力 / 教授コミュニケーション / コミュニケーション方式 |
Research Abstract |
平成8年度からの継続研究である。授業でのコミュニケーション活動におけるコミュニケーション諸方式に焦点をあて、授業観察と分析をとおして、授業改善のための方向として、授業における教師と生徒の圧倒的なコミュニケーションの非対称を克服することと、コミュニケーション活動をとおして肯定的な間人間的関係を創りだすコミュニケーション手段の適用を導き出した。 そして、実践的・理論的考察から、教師のためのコミュニケーショントレーニングの課題として、ベーシックな変形と高次の変形に分類して、次のものを抽出した。 トレーニングのベーシックな変形として、(1)課題をわかりやすく定式化する、(2)生徒からの質問をひきだし、クラスにまわす、(3)教師の発言をさしひかえる、(4)一問一答式の質問のかわりに対話をひきおこす広い質問を設定する、(5)生徒の学習遂行を個人的にほめる、(6)ノンバーバルな手段によって生徒の学習遂行を確信させる、(7)表情やジェスチャーによって教授対話を指導する、(8)大声で話す、小声で話す、明確に話す、ゆっくり話す、などのイントネーションに留意した多様な話し方、を設定した。 トレーニングの高次の変形として、(1)発見的・問題的な教師講話をおこなう、(2)問題定位的な教授対話でのコミュニケーション過程のダイナミズムをつくりだす、(3)グループ学習を組織する、(4)生徒間のインターアクションを刺激する、(5)ディスカッションを組織する、を設定した。 トレーニングの方法としては、マイクロティーチングで実践的に確証されてきた方法の適用であるが、ここでの方法は、コミュニケーション諸方式に焦点化した、教授学的なコミュニケーション活動の能力形成にアクセントを置いていることに、その特有性が認められる。 最終的に、実践可能なトレーニング経過を、トレーニングプログラムとして仕上げている。
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Research Products
(1 results)