1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680301
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
今倉 康宏 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (10112640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近森 憲助 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (40108874)
喜多 雅一 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (20177827)
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Keywords | 分子軌道計算プログラム / フェノールフタレイン関連化合物 / 退色反応 / 物質の分子モデルと電子状態 / 呈色反応 / 呈色・発色機構 |
Research Abstract |
「科学的に探求する能力と態度を育てる化学教材の開発」の研究課題として平成9年度は下記の研究実績を上げた。 フェノールフタレイン類を用いた総合化学実験カリキュラムの試行 中学・高校の教育現場で酸塩基指示薬としてしか用いられていないフェノールフタレインを視点を,変えることにより,有機化学・無機化学・分析化学・物理化学・コンピューターの利用といった複数分野の化学実験を組み合わせながら,以下に示すような4段階の実験方法を用いた総合化学実験プログラムの開発をし,本学3年次生の化学実験で実施した。 第1段階(180分×2)フェノールフタレインおよび3',3"-ジメトキシフェノールフタレインの合成(有機化学・無機化学・分析化学):合成法,同定法[融点・構造決定(IR/UV/NMR)・TLC],反応性について検討し,教師が自ら体験しビデオ,デジタルカメラ等を利用して紹介する方法を検討し,積極的な教育を実践する能力を身につける。 第2段階(180分×2)フェノールフタレインのアセチル化・メチル化(有機化学・無機化学・分析化学):3種の合成化合物に関するコンピューターにより構造と色との相関性(電子の動き)を学ぶ。 第3段階(180分×2)フェノールフタレインのアルカリ溶液による退職反応(有機化学・物理化学):フェノールフタレインのアルカリ溶液により赤紫色に呈色し,アルカリを過剰に加えると退色する現象を反応としてとらえ,アルカリ水溶液の濃度と反応温度によって変化することを確認した。 (180分×1)フェノールフタレイン関連化合物の錯体生成について:フェノール誘導体が金属との錯体形成のしやすさを簡便な呈色反応を利用し,色と構造との関係に置き換えて学習者に体験させることが出来た。この成果について日本化学会誌の化学と教育に投稿中である。
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