1996 Fiscal Year Annual Research Report
留学生のためのアカデミック・ライティングに関する教材の研究
Project/Area Number |
08680321
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
二通 信子 北海学園大学, 教養部, 講師 (20254691)
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Keywords | 日本語教育 / 作文教材 / アカデミック・ライティング / 文章表現機能 |
Research Abstract |
本年度は以下にあげる資料に基づき、アカデミック・ライティングの教科書のシラバスの作成と、各課の教材の作成及び授業での試用を行った。資料としたのは、留学生のレポートにおける、文章構造や論の展開及び文型などに関する問題点、日本人学生のレポートについての大学教員に対するアンケート調査結果(1995年2月に実施)、関連する先行研究、、日本語・英語の作文の教科書である。今年度の研究と実践の結果、教科書の構成を最終的に次のように決めた。 第1部 文章表現演習の前に(第1課〜4課)-「学術的な文章における文体」、「段落の作り方」、「句読点、記号の使い方」「文の基本」など、論理的で明快な文を書く方法を学ぶ。 第2部 大学生のための文章表現(第1課〜10課)-「仕組みや状態の説明」「定義」「分類」「比較・対照」など9つの表現機能に分けて、学術的な文章の書き方を学ぶ。また最後の課でそれまでの学習を総合して「レポートの作成」について学ぶ。なお各課は「読解教材(モデル文)と読解問題」「文章表現機能に使われる文型や表現」「作文課題」の3つを主な内容として構成される。 今年度は以上の方針に沿って教材を試作し、筆者及び協力者の担当する日本語のクラスで試用した。試用の結果、表現機能に着目した作文の指導の有効性を確認したものの、「作文課題」についてはより小さなステップでの指導が必要であることがわかった。現在、試用版を1冊のテキストにまとめており、次年度さらに試用を続け、日本語でのアカデミック・ライティングの指導法の開発とそのための教科書の完成を目指す。
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