1996 Fiscal Year Annual Research Report
オブジェクト指向を包含した統合的ソフトウェア・アーキテクチャ設計法の研究
Project/Area Number |
08680361
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
磯田 定宏 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (50262978)
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Keywords | ソフトウェア分析設計 / 設計方法論 / ソフトウェア・アーキテクチャ / オブジェクト指向 |
Research Abstract |
1.オブジェクト指向設計プロセスの定式化 オブジェクト指向分析・設計においてもっとも重要な「オブジェクトの同定および進化」に関する事例を収集し,これを一般化することによりオブジェクトの進化の法則を明らかにする研究を進めている。Kurt W.Derrの著作「Applying OMT」に掲載されている例題「電子ファイリングシステム」を対象とし,クラスがどう進化するか(いつ誕生しどのような変化を受けるか)を分析した。現在はこれらの進化の事例についてその理由を分析している。 2.頑健性を向上するオブジェクト同定法 Ivar Jacobsonの提唱する3種類のオブジェクト(インタフェース,制御,実体)を用いたモデルに基づくシステムが,他の方式によるシステムと比べ頑健性が高いかどうかを判定するための実験を実施している。実在する交通管制システムの複数の版の仕様書を対象とする。まず初版の仕様書をベースにJacobson方式とOMT方式の2通りで分析・設計を行う。この設計結果に対して,次版以降における改造を次々と適用し,改造による影響範囲の大きさを求め,両方式による結果を比較する。これまでに初版のJacobson方式の設計が完成した。 3.オブジェクト指向が不適切なシステムの抽出とその原因分析 オブジェクト指向を含む各種の設計法を用いてソフトウェア・アーキテクチャの複数の基準問題をモデル化しその結果を比較する実験を行う。これまでにクルーズコントロール問題について設計を行った。この結果,連続的な入力情報の扱いは不得手だが,記法を拡張することにより十分対処可能なこと,および問題専用のアーキテクチャ・パターンを適用した設計の方が設計の効率が良いことがわかった。
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