1996 Fiscal Year Annual Research Report

ソフトウェア保守コストモデルに基づく最適リリース問題の研究

Research Project

Project/Area Number	08680368
Research Institution	Tottori University
Principal Investigator	山田茂鳥取大学, 工学部, 教授 (50166708)
Keywords	ソフトウェア保守 / ソフトウェアテスト / 最適リリース(出荷)方策 / ソフトウェア信頼度成長モデル / 総期待ソフトウェアコスト / 保証期間 / コストパラメータ / 現在価値
Research Abstract	本研究では,ソフトウェアのテスト工程および運用段階でのフォールト発見・修正プロセスに対するコスト要因を考慮してソフトウェア保守コストモデルを構築し,ユーザに出荷するのに最適な時期を決定する問題いわゆるソフトウェアの最適リリース問題について議論した.コストモデルの構築においては,コストパラメータとして,最小限必要なテストコスト,単位時間当りのテストコスト,運用段階で発見されるフォールト1個当りの保守コストの3つを導入した上で, (i)コストの現在価値 (ii)製品としての保証期間 (iii)ソフトウェアのライフサイクル長の時間分布という現実的な問題の特性要因を組み込んだ.ここで,ソフトウェアの開発工程において最適リリース時刻を見積もるときには,上記(iii)を無視して(ii)の保証期間の長さを重視するほうが実際的であるとして,その確率分布を仮定した.さらに,コスト要因のみでなくテスト工程において実現されるソフトウェア信頼度の要求値も考慮した最適リリース間題も考察した.以上の特徴をもつコストモデルにおいて,フォールトの発見・修正プロセスを非同次ポアソン過程に基づく指数形ソフトウェア信頼度成長モデルにより記述した.このコストモデルから導出される総期待ソフトウェアコストを最小化する最適化問題を解くことにより,初期フォールト発見率が所定の条件の下で最適方策が存在することを示し,運用・保守段階におけるソフトウェアの信頼度成長の有無と,保証期間が一定か確率分布に従うかどうかという各ケースに対応して,最適リリース時刻を導出した.これにより,ソフトウェアの開発管理者が,従来のようにKKD(経験・勘・度胸)で出荷時期を見積るのではなく,合理的にかつ定量的に出荷時期を見積る一助となることが期待される.なお,本研究に関連するソフトウェアや可用性評価,テスト資源の最適な投入方法,テスト進捗度評価についても議論した.

Research Products
(12 results)

All Other

All Publications (12 results)

[Publications] 木村光宏他: "現在価値を考慮した保守コストモデルに基づくソフトウェアの最適リリース問題に関する考察" 統計数理研究所共同研究リポート92「最適化:モデリングとアルゴリズム9」. 93-100 (1996)
[Publications] 山田茂: "ソフトウェアの品質管理:ソフトウェア信頼性モデルの応用技術" 電子情報通信学会情報・システムソサイエティ大会講演論文集. 523-524 (1996)
[Publications] 豊田寿行他: "ソフトウェア保守コストモデルに基づく最適リリース問題に関する考察" 電気・情報関連学会中国支部第47回連合大会講演論文集. 444 (1996)
[Publications] 豊田寿行他: "Optimal Software Release Problems with Warranty Period and Reliability Requirement" Proceedings of the 3rd ISSAT International Conference on Reliability and Quality in Design. (1997)
[Publications] 山田茂: "ソフトウェア信頼性の考え方" 電子情報通信学会誌. 76・6. 603-606 (1996)
[Publications] 高田敬子他: "Markovian Software Availability Modeling with a Geometrically Decreasing Failure Rate" Proceedings of the 3rd China-Japan International Symposium on Industrial Management. 544-549 (1996)
[Publications] 木村光宏他: "テスト項目の消化過程に基づくソフトウェアテスト進捗度評価モデルに関する考察" 電子情報通信学会論文誌. J79-D-I・12. 1211-1217 (1996)
[Publications] 山田茂他: "ソフトウェア信頼度成長モデルによるテスト進捗度評価法" 日本応用数理学会論文誌. 6・4. 317-327 (1996)
[Publications] 得能貢一他: "減少型フォールト修正率を考慮したソフトウェア・アベイラビリティ・モデル" 日本信頼性学会誌. 19・1. 3-12 (1997)
[Publications] 得能貢一他: "ソフトウェア可用性評価のためのアベイラビリティモデル" 日本ソフトウェア科学会誌. 14・2. (1997)
[Publications] 得能貢一他: "Markovian Software Avilability Modeling with Two Types of Software Failures for Operational Use" Proceedings of the 3rd ISSAT International Conference on Reliability and Quality in Design. (1997)
[Publications] 山田茂: "信頼性ハンドブック(第V部信頼性・保全性・安全性の事例H-5)" 日科技連出版社(掲載決定済), (1997)

1996 Fiscal Year Annual Research Report

ソフトウェア保守コストモデルに基づく最適リリース問題の研究

Principal Investigator

山田 茂 鳥取大学, 工学部, 教授 (50166708)

Research Products

[Publications] 木村光宏 他: "現在価値を考慮した保守コストモデルに基づくソフトウェアの最適リリース問題に関する考察" 統計数理研究所共同研究リポート92「最適化:モデリングとアルゴリズム9」. 93-100 (1996)

[Publications] 山田 茂: "ソフトウェアの品質管理:ソフトウェア信頼性モデルの応用技術" 電子情報通信学会情報・システムソサイエティ大会講演論文集. 523-524 (1996)

[Publications] 豊田寿行 他: "ソフトウェア保守コストモデルに基づく最適リリース問題に関する考察" 電気・情報関連学会中国支部第47回連合大会講演論文集. 444 (1996)

[Publications] 豊田寿行 他: "Optimal Software Release Problems with Warranty Period and Reliability Requirement" Proceedings of the 3rd ISSAT International Conference on Reliability and Quality in Design. (1997)

[Publications] 山田 茂: "ソフトウェア信頼性の考え方" 電子情報通信学会誌. 76・6. 603-606 (1996)

[Publications] 高田敬子 他: "Markovian Software Availability Modeling with a Geometrically Decreasing Failure Rate" Proceedings of the 3rd China-Japan International Symposium on Industrial Management. 544-549 (1996)

[Publications] 木村光宏 他: "テスト項目の消化過程に基づくソフトウェアテスト進捗度評価モデルに関する考察" 電子情報通信学会論文誌. J79-D-I・12. 1211-1217 (1996)

[Publications] 山田 茂 他: "ソフトウェア信頼度成長モデルによるテスト進捗度評価法" 日本応用数理学会論文誌. 6・4. 317-327 (1996)

[Publications] 得能貢一 他: "減少型フォールト修正率を考慮したソフトウェア・アベイラビリティ・モデル" 日本信頼性学会誌. 19・1. 3-12 (1997)

[Publications] 得能貢一 他: "ソフトウェア可用性評価のためのアベイラビリティモデル" 日本ソフトウェア科学会誌. 14・2. (1997)

[Publications] 得能貢一 他: "Markovian Software Avilability Modeling with Two Types of Software Failures for Operational Use" Proceedings of the 3rd ISSAT International Conference on Reliability and Quality in Design. (1997)

[Publications] 山田 茂: "信頼性ハンドブック(第V部信頼性・保全性・安全性の事例H-5)" 日科技連出版社(掲載決定済), (1997)

山田茂鳥取大学, 工学部, 教授 (50166708)

[Publications] 木村光宏他: "現在価値を考慮した保守コストモデルに基づくソフトウェアの最適リリース問題に関する考察" 統計数理研究所共同研究リポート92「最適化:モデリングとアルゴリズム9」. 93-100 (1996)

[Publications] 山田茂: "ソフトウェアの品質管理:ソフトウェア信頼性モデルの応用技術" 電子情報通信学会情報・システムソサイエティ大会講演論文集. 523-524 (1996)

[Publications] 豊田寿行他: "ソフトウェア保守コストモデルに基づく最適リリース問題に関する考察" 電気・情報関連学会中国支部第47回連合大会講演論文集. 444 (1996)

[Publications] 豊田寿行他: "Optimal Software Release Problems with Warranty Period and Reliability Requirement" Proceedings of the 3rd ISSAT International Conference on Reliability and Quality in Design. (1997)

[Publications] 山田茂: "ソフトウェア信頼性の考え方" 電子情報通信学会誌. 76・6. 603-606 (1996)

[Publications] 高田敬子他: "Markovian Software Availability Modeling with a Geometrically Decreasing Failure Rate" Proceedings of the 3rd China-Japan International Symposium on Industrial Management. 544-549 (1996)

[Publications] 木村光宏他: "テスト項目の消化過程に基づくソフトウェアテスト進捗度評価モデルに関する考察" 電子情報通信学会論文誌. J79-D-I・12. 1211-1217 (1996)

[Publications] 山田茂他: "ソフトウェア信頼度成長モデルによるテスト進捗度評価法" 日本応用数理学会論文誌. 6・4. 317-327 (1996)

[Publications] 得能貢一他: "減少型フォールト修正率を考慮したソフトウェア・アベイラビリティ・モデル" 日本信頼性学会誌. 19・1. 3-12 (1997)

[Publications] 得能貢一他: "ソフトウェア可用性評価のためのアベイラビリティモデル" 日本ソフトウェア科学会誌. 14・2. (1997)

[Publications] 得能貢一他: "Markovian Software Avilability Modeling with Two Types of Software Failures for Operational Use" Proceedings of the 3rd ISSAT International Conference on Reliability and Quality in Design. (1997)

[Publications] 山田茂: "信頼性ハンドブック(第V部信頼性・保全性・安全性の事例H-5)" 日科技連出版社(掲載決定済), (1997)