1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680379
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
天野 英晴 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (60175932)
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Keywords | 並列計算機 / 相互結合網 / キャッシュ / 多段結合網 |
Research Abstract |
多段結合網(Multistage Interconnection Netwoek : MIN)をプロセッサーメモリ間結合に用いた並列計算機は、同時に複数のメモリモジュールのアクセスを許すことから、特に科学技術計算用の中規模(数十〜数百プロセッサ程度)システムとして有利な点が多いにもかかわらず、実用化があまり進んでいない。この一つの原因は、一貫性を保持したキャッシュを装備することが困難であるため、常にメインメモリへアクセスする必要が生じ、このための性能低下が大きい点である。本研究では、この点を解決するため、MINのスイッチングエレメントに一貫性制御機構を付加したMINC(MIN with Cache coherent mechanism)を提案し、シミュレーションによる評価に加えて、そのための実験用プロトタイプを実装することが目的である。 本年度は、まず、MINCの実アプリケーションに基づく評価をシミュレーションにより行なった。この結果、ビットマップの管理の方法にはRHBD法の中のSM(Single Map)法が良い性能を示すことがわかった。また、サイズに応じた枝刈りキャッシュの必要量が明らかになった。次に、MINCを実現するためのキャッシュ制御用のLSI,MINCチップの設計を行なった。MINCチップは、キャッシュ制御用のメッセージ転送のみを制御するチップであり、任意のデータ転送用の結合網と組み合わせることが可能である。このチップはSSS型の制御を行なうことで、構造を簡単化し、今まで提案したMINCの操作に加えて、応答信号のパケット化、枝刈りキャッシュを追い出す場合の通知機能を新たに加えている。16プロセッサ/メモリモジュールを持つシステムを1チップで制御することができ、約25,000ゲートで、80MHzで動作する。
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[Publications] 西村克信、工藤知宏、西宏孝、揚愚浩、天野英晴: "相互結合網RDI上での階層マルチキャストによるメモリコヒーレンシ維持手法" 情報処理学会論文誌. 37・7. 1367-1377 (1996)
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[Publications] A.Funabashi,T.Hanawa,H.Amano: "Fault Toleranic of the TBSF and PBSF" IEICE Trans,on Information and Systems. E79-D・8. 1180-1189 (1996)