1996 Fiscal Year Annual Research Report
網膜周辺部における視覚情報探索能力の解明とマルチメディア情報処理への応用
Project/Area Number |
08680389
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
熊沢 逸夫 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (70186469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平林 晃 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (50272688)
小川 英光 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (50016630)
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Keywords | 視覚探索 / エッジ / 図形 / 形状 / ヒューマンインターフェイス / 知覚心理 / 複合特徴 / 濃淡勾配 |
Research Abstract |
人の視覚情報処理の仕組みを解き明かす上で、視点を向けていない網膜周辺部分に投射される視覚刺激の中から、視覚系が利用できる情報の種類を解明することは重要な課題である。本研究課題では、画像を通じた人とコンピュータの情報交換の中で、効果的に人の注意を引きつける視覚的プロンプトを画像中に導入することで、効果的なヒューマインターフェイス手段を実現することを試みた。そのために、視覚の基本特性に関するデータを知覚心理実験により採取し、人の視覚的探索能力を説明する計算モデルを構築した。重要な視覚特徴として知られるエッジに関する様々な属性(濃淡変化率、滑らかさ、傾き)の変化により、ビジュアルサーチ、立体融合等、各種探索、マッチングに関わる人の能力がどのように変化するか、反応時間、誤り率等の定量化可能な尺度を用いた視覚心理実験により明らかにした。探索項目数の他、各種の要因を変化させた時の特性を調べることで、処理の並列性、直列性を明確にし、また各種要因に対する依存関係を含めて、詳細なモデルを構築した。エッジ単体の属性のみならず、複数エッジの相互関係によって定まる複合的属性に対する探索モデルを構築することができ、効果的に探索キ-として試用できる図形形状の理解に向けて前進することができた。図形形状そのものに関する研究は、図形が多面の属性を持ち、形状の複雑さを定量的に論じることがほとんど不可能であるため、定性的な結果しか与え得なかったが、本研究では、形状の基本構成要素であるエッジの定量化可能な性能、例えば、滑らかさ、境界部分の濃淡勾配、エッジの傾き、エッジ間距離を変化させた時の、視覚のエッジ探索の能率を解明した。さらに立体知覚において、左右の眼球に入力する二枚の画像内で整合しあうエッジを探索する能力を解明することができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 田中賢: "再帰型高次結合ニューラルネットワークによる正規言語の学習" 電子情報通信学会論文誌(D-II). J79-D-II. 899-907 (1996)
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[Publications] I.Kumazawa: "Blur selectively affects the bases for alignment:Position and Orientation" Proceedings of ICPA-9,University of Toronto. (1997)
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[Publications] Steven L.Funk: "The Role of Non-linear Receptive Fields in Shift-Invariant Feature Extraction" 画像の認識・理解シンポジウム(MIRU′96). II. 25-30 (1996)
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[Publications] 小川英光: "関数解析と逆問題" 電子情報通信学会誌. 79. 675-677 (1996)
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[Publications] 熊沢逸夫: "セルラ-Hough変換による形状抽出" 電子情報通信学会,パターン認識・メディア理解研究会. PRU96-105. 9-16 (1996)
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[Publications] 熊沢逸夫: "方位別誘引力場を用いる動的輪郭整合" 1996年情報・システムソサイエティ大会講演論文集. 357 (1996)