1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680401
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
和田 俊和 岡山大学, 工学部, 講師 (00231035)
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Keywords | パン・チルトカメラ / キャリブレーション / 背景差分 / カメラコントロール / 選択的注視 / 動作認識 / 複数動作 |
Research Abstract |
今年度は、パン・チルトの2軸回転が可能な回転式カメラを用いて撮影された画像からの背景モデルの作成とモデルからの背景画像生成法の提案、既存の電動カメラを用いた実時間対象追跡システムの試作、固定式カメラを用いた複数対象の動作認識法の提案を行った。 まず、背景モデルの作成に関しては、レーザビームを用いたカメラキャリブレーション法によって光学中心とパン軸を一致させたカメラで、一定角度間隔で撮影した全方位の背景画像12枚から多面体背景モデルを生成し、任意方向の背景画像を正確に生成できることを示した(文献[1][2])。 次に、既存の電動カメラを用いたシステムでは、撮影した画像から回転中心と投影中心の位置ずれ、レンズの歪み係数、CCD面の傾き、CCD面と光学中心との距離などの幾何学的歪みパラメータを求めるカメラキャリブレーション法と、背景画像の高速生成アルゴリズムを考案し、これらを用いて背景差分を実時間で行なうシステムを試作した。このシステムは、背景差分の結果得られる変化領域の面積が一定値以下であれば、カメラは視線を移動させながら対象を探し、一定値以上になると変化領域の中心が画像の中心に一致するようにパン・チルト角の制御を行なって視線を変えながら対象の追跡を行なう。実験の結果、カメラから約2m程度離れた場所であれば、人間の速い動きにも十分追従できることが確認できた。 広域環境監視のためには対象の動作認識が不可欠であるが、通常の監視タスクでは観測される対象の個数が複数になり得るため、1つの対象の動作認識しか扱えない従来法は使用できない。この問題を解決するため、あるクラスの動作を撮影した動画像の変化領域から注目すべき領域の系列を学習し、入力データの変化領域系列にこの注目領域系列が含まれるか否かによって動作認識を行なう「選択的注視」に基づく動作認識法を提案した(文献[3][4])。このシステムでは、固定式カメラを用いたが、前述の回転式カメラシステムの背景モデル上に注目領域シーケンスを投影することによって、対象の追跡を行ないながら動作認識を行なうシステムの開発を行なうことが可能である。
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[Publications] 和田俊和,浮田宗伯,松山隆司: "Appearance-Sphere-パン・チルト・ズ-ムカメラのための背景モデル" MIRU'96講演論文集. Vol.II. 103-108 (1996)
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[Publications] Toshikazu Wada,Takashi Matsuyama: "Appearance-Sphere : Background Model for Pan-Tilt-Zoon Comera" Proc.of ICPR'96. Vol.A. 66-71 (1996)
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[Publications] Toshikazu Wada,Takekazu Kato: "Event Driven Motion Image Classification by Selective Atteution Model" Proc.of MVA'96. 208-211 (1996)
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[Publications] 和田俊和,加藤丈和: "選択的注視に基づく動作識別" 情処研報CVIM. 103. 43-50 (1997)