1997 Fiscal Year Annual Research Report
高度な視覚探索機能のモデル化とその工学的応用に関する研究
Project/Area Number |
08680403
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鶴田 直之 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (60227478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下部 茂 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (70234416)
行場 次朗 九州大学, 文学部, 助教授 (50142899)
谷口 倫一郎 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 教授 (20136550)
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Keywords | 視覚探索 / 多層ニューラルネットワーク / マルチメディアシステム / 自動走行車 / 分散協調処理 / 分散並列処理 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までの研究結果を踏まえ、提案する多層NNによる視覚探索法が従来のコンピュータビジョンの研究の中で、どのように位置づけられ、どのような意義を持つかを整理した。提案する多層NNは、Lampinenらが提案した階層化自己組織マップを用いて入力空間を特徴空間に非線型にマッピングすることにより、従来のパターン認識手法では困難であった問題を容易に解く類別モデルである。また、局所的な特徴抽出と、抽出した特徴毎に解像度を減少させる位置ずれ吸収を階層的に行う構造になっており、次元数の高い入力データを認識するのに適した構造になっている。以上2つの特長を統合することにより、入力データの次元数が高く、データ空間内で複雑な形状のカテゴリ領域を形成する画像の認識に応用可能なモデルが構築できる。 また、画像信号は、雑音を含む不安定な情報である。複雑な背景や、複数の対象物を含むシーンの認識・理解は、画像全体を一つのパターンとみなしてカテゴリに分類する従来のパターン認識理論の枠組みでは解決できない。そこで、何らかの事前知識を用いて対象領域を画像から切り出し、正規化する前処理を用いることが多い。ただし、一般的な事前知識を発見することは極めて困難であり、また、画像信号の不安定性のために、対象領域の切り出しが正確に行えないことが頻繁に起こる。このような問題に対し、トップダウン型の処理を統合した手法は極めて有効に働く。提案するモデルは,複数の対象図形が写っているシーンにおいて、検出された対象物のパターンを再生し、対応するパターンを入力画像から消去することによって、対象物間の干渉を取り除きつつシーンを逐次的に理解してゆく方法である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] R.Taniguchi,Y.Makiyama,N.Tsuruta,S.Yonemoto and D.Arita: "Software platform for parallel image processing and computer vision" Proc.of SPIE Parallel and Distribted Methods for Image Processing. Vol.3166. 2-10 (1997)
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[Publications] 二瀬,行場: "Navon現象の諸相とその脳内基盤について" 人間科学. Vol.3. 68-89 (1997)
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[Publications] 二瀬,行場: "パターン認知に及ぼす持続的注視の影響" VISION. Vol.9. 163-171 (1997)
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[Publications] ライオンズ,蒲池,行場,赤松: "顔表情のガボール・ウェーブレット表現" 電子情報通信学会技術報告HIP97-2. 9-15 (1997)
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[Publications] 蒲地,行場: "持続的注視による顔の表情認知の遅延--正立顔と倒立顔の比較--" 映像情報メディア学会技術報告. Vol.21. 31-36 (1997)
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[Publications] 鶴田、井宮: "コンピュータビジョン:技術評論と将来展望12章中間視覚:信号・記号変換器としての人工神経回路網" OplusE社(発刊予定),