1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680407
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Research Institution | UNIVERSITY OF THE RYUKYUS |
Principal Investigator |
翁長 健治 琉球大学, 工学部, 教授 (90029869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名嘉村 盛和 琉球大学, 工学部, 助教授 (80237437)
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Keywords | 分散アルゴリズム / 安定結婚問題 / 分散安定結婚問題 / 自律移動ロボット / 離婚プロセス / グループ協調 |
Research Abstract |
平成8年度における研究では、分散安定結婚問題の応用として「自律移動ロボットと充電施設との安定マッチング」を示し、それを解く分散アルゴリズムを提案した。平成9年度における研究では、一旦得られた安定マッチングから別の安定マッチングに遷移する、すなわち、パートナー交換のための自律メカニズムを提案する。 安定結婚問題では、ひとつの入力例(プリファレンス・リスト)に対して通常複数の安定マッチングが存在する。最多のケースでプリファレンス・リストのサイズの指数乗個以上存在することが示されている。これは、分散安定結婚問題においても成立つ。本研究では、現在のパートナーに不満を持つ参加者が現在のマッチングを解消し、より上位のパートナーを得るための分散アルゴリズムを提案している。この分散アルゴリズムの自律的実行を離婚プロセスと呼んでいる。離婚プロセスとして、個人の意思、すなわち個人の「満足度」を高めるために起動されるものと、グループの協調、すなわちグループ全体の「満足度」に基づいて起動されるものを提案する。 パートナーに対する「満足度」と、より上位のパートナーを得ようとする「積極度」を数理的にモデル化し、コンピュータ・シミュレーションによってマッチングゲームを行ない、最終的にどのような安定マッチングが得られるかを調べる。実験結果より、次のことが観測される。 (1)個人意思に基づく離婚プロセスの場合には、より離婚に積極的な参加者が最終的により良いパートナーを得る傾向がある。 (2)全員が積極的に離婚プロセス起動した場合には、参加者全体の満足度の平均を最大にする安定マッチングが得られる傾向がある。 (3)グループ協調では、男性グループと女性グループに分かれて協調を行なうようにしたが、両方のグループが同程度の積極度を持ち合わせている場合には、両グループの満足度がほぼ等しくなるような安定マッチングが得られる傾向がある。
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[Publications] H.Kinjo,M.Nakamura,K.Onaga: "Autonomous Mechanism for Partner Exchanging in Distributed Stable Marriage Problems" IEICE Transactions on Fundamentals. E80-A. 1040-1048 (1997)
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[Publications] S.Sakihara,H.Kinjo,M.Nakamura,and K.Onaga: "A Group Cooperation in Distributed Stable Marriage Problems" Procs of ITC-CSCC'97. 1091-1094 (1997)
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[Publications] 安慶名、金城、名嘉村、崎原、翁長: "非同期パートナー交換自律メカニズムを用いたマッチングゲーム" 平成9年度電気関係学会九州支部連合大会講演論文集. 205 (1997)