1997 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータ画像診断支援システムの診断精度に対する寄与に関する研究
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08680430
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
池田 充 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50184437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石垣 武男 名古屋大学, 医学部, 教授 (60094356)
山内 一信 名古屋大学, 医学部, 教授 (90126912)
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Keywords | コンピュータ診断支援 / ROC解析 / ジャックナイフ法 |
Research Abstract |
画像診断の中の存在診断に関して、診断精度の向上をもたらすCADはどのような性質を持つべきかについて、CADの診断結果(=出力)の感度と特異度についての分析を行った。この検討のために、存在診断についての「二次的な助言」を与えるCADを擬似的に作成し、CADの出力の感度と特異度が色々な組み合わせからなるものを二次的な助言として用いた読影とCADを使用しない読影からなる合計26種類の読影実験を行った。読影実験は、同じノイズレベルの一対の信号と雑音からなる画像と、雑音のみの画像からなる100組の画像(合計200画像)を作成してランダムな順序でワークステーション上のモニタに表示し、被験者である読影者は信号の有無についての確信度を報告するという形式で行った。被験者は経験の浅い(経験年数4年以下)合計6名の放射線科医である。読影実験における読影精度の評価は、ROC解析法によって行い、読影精度の指標としてROC曲線下面積を用いた。ROC曲線は、両正規モデルによるROC曲線に最尤推定法によって当てはめを行うことによって求めた。実験系間での読影精度の統計的比較方法は、ジャックナイフ法を用いたD.D.Dorfmanらの考案した分散分析を使用した。 今回の検討から、以下のことがわかった。1)存在診断においては、一定以上の正診率を有するCADの二次的な助言が加わることによって読影精度が向上するが、低い正診率においては、読影精度の低下をもたらすことがある。従って、CADはなるべく高い正診率を有する必要があるが、今回の検討からはその正診率は比較的低くても読影精度の向上が期待できるものであった。2)読影精度に最も大きな影響を与えるものは、CADの二次的な助言の全体の正診率であり、その正診率が高くなるにつれて読影精度が向上するが、全体の正診率が同じ場合は、感度が高い方が読影精度が向上する傾向がある。
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