1997 Fiscal Year Annual Research Report
感性デザインのためのマーケティング情報システムの応用研究
Project/Area Number |
08680442
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
長沢 伸也 立命館大学, 経営学部, 教授 (40164412)
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Keywords | 感性工学 / 感性デザイン / 感性マーケティング / マーケティング情報システム / 感性評価 / 感性 |
Research Abstract |
本研究では、人の感性による計量・評価データの解析手法の改良などを行い、以下の知見や成果を得た。 1.感性工学と感性情報処理の関係、感性工学の現状と動向、感性情報処理の現状とその基礎について調査し、考察した。 2.感性品質の評価データの解析手法として有効であると考えられる計量心理学の手法である「一対比較法」について、以下の改良を考案した。 (1)この手法では評価対象のすべての組合せについて一対比較を行い、同一試料対の比較は行わないが、味覚、嗅覚や聴覚のように順序効果が生じる場合も少なくない。そこで、線形模型を適用して、同一試料対の比較も行う場合にも適用できる方法を考案した。 (2)この手法では、評価対象が多数の場合には必要となる一対比較のすべての組合せの数が膨大になり実験の実施が困難になる。そこで、実験計画法の不完備ブロック計画を適用して、一対比較が対象数と同数回で済む方法を考案し、完全一対比較を分割して実施する場合を検討した。 3.VE(価値分析)手法で重要な機能評価で用いられる金額法(絶対的評価法)では曖昧さが考慮されないが、より微妙で複雑な商品の機能やコストを分析するため、機能およびコストを曖昧なファジィ数で与える場合を考え、価値比率をファジィ商の全順序関係により解析し着手順位を決定する実際的な方法を考案した。 4.感性デザインのためのマーケティング情報システムの雛型としての「商品企画七つ道具」について有効性を検討した。
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Research Products
(19 results)
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[Publications] 長沢伸也: "感性情報処理の現状と基礎" 人とシステム(日本人間工学会システム連合大会雑誌). 第3巻第1号. 37-44 (1997)
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[Publications] 長沢伸也: "感性工学をこう考える" 第13回ファジィシステムシンポジウム論文集(日本ファジィ学会). 915-918 (1997)
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[Publications] S.Nagasawa: "The Seven Tools for New Product Planning" Proceedings of the 14th International Conference on Production Research. 1236-1239 (1997)
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[Publications] 長沢伸也: "感性情報処理の現状と基礎" 平成8年度文部省科学研究量基盤研究(B)(1)報告書「感性工学に関する学際協同研究の枠組み構築のための企画調査」. 4-13 (1997)
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[Publications] 長沢伸也: "感性デザインのためのマーケティング情報システム" 第14回被服心理学夏季セミナテキスト(日本家政学会被服心理学部会). 30-35 (1997)
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[Publications] 長沢伸也: "探索的データ解析の多元配置型ファジィデータへの適用" 第2回ファジィORミニシンポジウム論文集(日本ファジィ学会). 63-68 (1997)
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[Publications] 長沢伸也: "感性工学と品質管理" 日本品質管理学会第55回研究発表会研究発表要旨集. 33-36 (1997)
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[Publications] 長沢伸也: "経営学部におけるデザインマネジメント教育" デザイン学研究第44回研究発表大会概要集. 96-96 (1997)
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[Publications] 長沢伸也: "シェッフェの一対比較法の新たな変法" 日本官能評価学会第2回大会講演集. 15-16 (1997)
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[Publications] 長沢伸也: "一対比較データの解析手法" 日本繊維機械学会被服心理学研究分科会講演会資料. 17-22 (1997)
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[Publications] 長沢伸也: "メディアシステムにおける感性工学" 平成10年電気学会全国大会シンポジウム論文集. (印刷中). (1998)
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[Publications] S.Nagasawa: "A Literature Study on Transition of Fashion Illustration in Japan" Proceedings of '97 Korea-Japan Joint Symposium on Design Studies. 161-166 (1997)
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[Publications] 長沢伸也: "感性工学の基礎と現状" 日本ファジィ学会講習会「感性工学をこう考える」テキスト. 1-11 (1997)
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[Publications] S.Nagasawa: "Application of Fuzzy Theory to Value Engineering" Computers and Industrial Engineering. Vol.33,Nos3-4. 565-568 (1997)
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[Publications] 長沢伸也: "コストマネジメントにおける原価企画" 日本品質管理学会誌「品質」. 第28巻第2号(印刷中). (1998)
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[Publications] 長沢伸也: "シェッフェの一対比較法の改良(7)-同一試料対も比較する場合-" 日本人間工学会第38回大会講演集. 376-377 (1997)
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[Publications] 長沢伸也: "サイクリック一対比較法の提案(7)-完全一対比較を分割する場合-" 日本人間工学会第38回大会講演集. 378-379 (1997)
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[Publications] M.Nagamachi, (ed.): "Kansei Engineering I" Kaibundo Pub., 200 (1997)
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[Publications] 海保博之(編): "「温かい認知」の心理学-認知と感情の融接現象の不思議" 金子書房, 300 (1997)