1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680451
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 充 東京大学, 工学系研究科, 助教授 (30232028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 昌三 東京大学, 工学系研究科, 教授 (30114557)
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Keywords | 不明薬品 / 爆発 / 爆発分解 / 廃棄物 / 廃棄物処理 / 起爆薬 |
Research Abstract |
薬品の爆発分解による処理に適した系として、爆発生物質含有廃棄物を想定し、それらを保存している容器とともに爆発処理する技術について検討を行った。爆発性物質のモデル物質として過酸化ジベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、ニトロベンゼンおよびアジ化ナトリウム、爆薬としてスラリー爆薬、廃科学薬品の容器として硝子製サンプル瓶を選択し、ない容積2101の爆発容器内で爆発させた。爆発処理後の生成物を示差走査熱量計、フーリエ変換赤外分光法、粉末X線回折法およびガスクロマトグラフィーにより分析した結果、元のモデル物質および爆発性原子団は上記の分析方法では検出限界以下に減少し、モデル物質の爆発性は大幅に低減されることを確認した。このことから、ガラス容器内に保管された爆発性物質は、爆薬による爆発処理により安全に処理することが可能であることを示した。 爆薬による薬品類の爆発処理を評価する場合には、爆発条件(爆薬の種類、爆薬量、爆薬/薬品比、雰囲気、温度等)と爆発による分解率の関係を詳細に検討する必要がある。一方、爆発実験には安全性確保のために大型で堅牢な密閉容器の仕様が必須であり、このような容器の使用が、爆発生成物の全量回収、則ち分解率の評価を困難にしている。ここでは、爆薬として、限界薬量が小さい起爆薬と小型容器との組み合わせによる実験方法を新たに提案し、これを用いて、モデル物質の爆発分解実験を行い、爆発生成物の全量回収と生成ガス分析からモデル物質の分解率の評価を行った。その結果、モデル物質の分解率を全量回収を行うことなく、生成ガス分析のみから推算する可能性を見出した。このことにより、比較的大きな系での実験による分解率も生成ガス分析から評価できることを示した。
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Research Products
(1 results)