1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
一森 哲男 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (20151483)
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Keywords | 探索 / 探索労力 / アルゴリズム / 計算量 / 2資源 |
Research Abstract |
遭難者を効率よく発見することは、人命救助に大いに役立つと思いこの研究を始めた。もちろん、遭難者だけでなく、大規模なシステムの中のフォールトの発見にも役立つはずで、この研究の貢献できる範囲はかなり広いものと思われる。今回の研究では、探索問題の中でも探索労力の配分について研究した。とくに、モデル化には注意を払った。そのため、いく人かの研究者の助言を仰いだ。ただし、本年度はできるだけ効率的に解けるアルゴリズムの開発に力点を置いたので、モデルは単純なものとなった。しかしながら、決して現実性を無視したわけではなく、いくつかの場面では十分に役立つと思われる。とりあえず、2つの異なる探索資源を用いた最適配分問題を基本モデル上で考え、これに対し計算複雑度の観点からは大変効率の良いアルゴリズムを開発した。十分な成果が上がったと思われたので、そこまでのところを論文にまとめ日本オペレーションズ・リサーチ学会に投稿した。先日、その結果が帰ってきて、採択の方向で再検討となった。近いうちに、修正して再投稿の予定である。また、今回の研究をいくつかのサブテーマに分けて、それらをパラレルに進めた。 例えば、先ほどの論文のアルゴリズムのプログラム化はまだ完成してはいないが、既に予備的なものは作り終え、何度か数値実験を繰り返した。この辺りの雑用はアルバイトの人々に任せた。また、このアルゴリズムの計算量をさらに小さくできないか検討した。その結果、ある程度はさらなる効率化は可能のようであるが、詳細は詰めきれなかった。他にも、資源の種類を一般の数にした探索労力の配分問題も少し考えた。大変興味深い定理を1つ発見したので、学会で口頭発表の予定である。
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