1996 Fiscal Year Annual Research Report
落石および崩壊土砂が落石防護柵に及ぼす衝撃力の計測
Project/Area Number |
08680489
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
村田 重之 熊本工業大学, 工学部, 教授 (80040997)
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Keywords | 落石 / 落石防護策 / 衝撃力 / 落石速度 / 模型実験 / 重回帰分析 |
Research Abstract |
今年度は、中型の模型斜面(6m)を作成し種々の落石を転倒させ模型斜面下部の荷重計測装置で衝撃力を計測した。同時に落石が斜面下部の計測装置に衝突する直前の速度も計測した。落石距離および斜面の勾配も種々変化させそれらの影響についても実験を行った。実験結果の重回帰分析から、衝撃力には落石重量がもっとも大きく寄与しており、ついで落石距離、斜面勾配の順になることが明らかになった。求められた重回帰係数を用いれば衝撃力を容易に推定することができる。つぎに落石速度は落下高さにほぼ比例するが、落石重量や斜面勾配にはあまり影響されないことが明らかになった。落石速度と自由落下速度との比較では、との落石重量の場合も落石速度が約25%程度小さな値を示している。したがって今回の斜面の残存係数は0.75程度と考えられる。また、落石速度から計算した等価摩擦係数は斜面勾配の増加で大きくなる。当然のことながら落石の運動エネルギーは落石重量、落石距離および斜面勾配の増加によって大きくなる。さらに、落石の衝突面に厚さ5mmと10mmのゴム板を張り付けて衝撃力の低減効果を実験で確めた。その結果約3割程度の低減効果のあることが確かめられた。次年度は、計測方法を改良してさらに精度のよいデータを得ると共に、落石重量さらに大きくした実験によって相似則との関係についても検討を進める。また、複数の落石が及ぼす衝撃力や立木の低減効果、さらに崩壊土砂の場合にどのような衝撃力が発生するのかについても実験を行い、落石防護柵を設計する場合の外力推定の実験式の確立を試みる予定である。
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Research Products
(2 results)