1996 Fiscal Year Annual Research Report
電子サイクロトロン共鳴加熱波動の周波数近傍におけるスペクトル分析
Project/Area Number |
08680494
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
際本 泰士 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (50018040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立松 芳典 筑波大学, 物理学系, 助手 (50261756)
斉藤 輝雄 筑波大学, 物理学系, 助教授 (80143163)
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Keywords | 電子サイクロトロン共鳴 / プラズマの波動加熱 / 非線形波動相互作用 / マイクロ波放射 / ジャイロトロン |
Research Abstract |
本研究の課題は,電子サイクロトロン周波数に共鳴する強力な電場が存在する場合の,プラズマの応答を,同じ周波数帯で再放射(または散乱)される波動の検出を通じて解析しようとするものである.従来より電子温度診断に用いられてきた,電子サイクロトロン放射計測とは異なる. 標記課題の申請通り,GUNNダイオード局所発振器とバランスト・ミキサによる周波数逓減系と0^〜1.8GHzスペクトラム・アナライザとを組合わせて26.5^〜30GHz領域の周波数分析システムを組上げた.このシステムの動作特性を実験的に確認した後,大電力加熱波の入射実験に適用した.その結果の概要は次の通りである. (1)公称28GHzのジャイロトロン(単管当り最大出力200kW)の発振波動が設計通りTE02モードであることを確認した.しかし実は,このモードはTE021とTE022の2つのモードから構成されており,後者は前者より30dBほど低レベルで200-250MHzほど高周波側にて発振していることが初めて観測された. (2)TE021とTE022の2つのモードはパルス発振の途中で瞬間的に数MHzほどジャンプすることが観測された.(1)と(2)で発見された事項は通常行われている空胴周波数計では事実上検出不可能であり,本計測系の能力の高さを示している. (3)プラズマからの反射波を分析すると,上記TE021,TE022モードの周波数の周りに側帯波が観測された.この中のいくつかは2台のジャイロトロンからの入射波の結合に依るものである.しかしそれ以外に,入射波周波数から数十MHzの範囲内に,加熱入射波の存在とプラズマ密度の両方に依存する連続波と線スペクトルの発生が観測された. 本年度の目標は測定系の完成と特徴的なスペクトル構造の発見にあったが,上記の如くその課題は達成できた.これを基礎として系統的な実験による物理的な解析の進展が次の課題である.これまでの検討の結果,28GHz近傍と同時に56GHz近傍と数十MHz帯の周波数解析を行うことが極めて重要との判断に至っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Kiwamoto,Y.Tatematsu,T.Saito,et al.: "Detection of Fusion Neutrons from a Deuterium-Proton Mixed Plasma in the GAMMA 10 Tandem Mirror" Physics of Plasmas. 3. 578-583 (1996)
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[Publications] Y.Tatematsu,Y.Kiwamoto,T.Saito,et al.: "Contribution of Yushmanov-Trapped Electrons on Thermal Dike" Physics of Plasmas. 3. 1603-1611 (1996)
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[Publications] I.Katanuma,Y.Kiwamoto,et al.: "Generation of the Saturated Electrostatic Potential along a Magnetic Field Line" Physics of Plasmas. 3. 2218-2220 (1996)
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[Publications] Y.Tatematsu,Y.Kiwamoto,T.Saito,et al.: "Electron Cyclotron Resonance Heating near the Turning Point in Inhomogeneous Magnetic Field" Physics of Plasmas. 3. 3318-3323 (1996)
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[Publications] T.Saito,I.Katanuma,et al.: "ECRH Experiments in a Hot Ion Mode of the GAMMA 10 Tandem Mirror and a Theoretical Study of Plug Potential Formation Mechanisms" Proc.of 16th IAEA Fusion Energy Conference,Montral,Canada. IAEA-CN-64. C2-6 (1996)
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[Publications] Y.Kiwamoto,H.Abe,et al.: "Behavior of a Hot Ion Plasma in the GAMMA 10 Tandem Mirror (Invited Paper in ICPP96,Nagoya)" Plasma Physics and Controlled Fusion. Symposium Paper. (1997)