1996 Fiscal Year Annual Research Report
m=1/m=2のテアリングモードのトロイダル結合の研究
Project/Area Number |
08680515
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 正彦 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (50172440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 孝 京都大学, 大学院・エネルギー科学研究科, 教授 (20127137)
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Keywords | トカマクプラズマ / MHD不安定性 / テアリングモード / 電流密度分布 |
Research Abstract |
トカマクプラズマ中のMHD不安定性の中で、テアリングモードは、プラズマ中の安定係数が有理数となる磁気面(有理面)上で局所的に励起されるが、不安定性を引き起こす要因は、有理面上における電流密度プロファイルに強く依存している。また、空間的に離れた2つの有理面において、異なったモードのテアリング不安定性が独立に存在しうるが、プラズマがド-ナツ型の形状をしているため、それらのモードは、磁気的な作用を通じて結合(トロイダル結合)している可能性がある。 この研究では、空間的に離れた異なったモードの結合のようすを解明するための実験を行った。電流密度プロファイルを人為的に変化させることによって、2つ(複数)のテアリング不安定性がどのような振る舞いをするかを観測した。 プラズマに外部から、パルス的に不純物ガスを入射すると、不純物は、電離されながら、プラズマ中心部へと拡散していく。それに伴って、電流密度プロファイルも、プラズマの外側から順次変化していく。不純物の拡散時間は10msのオーダーなので、プラズマ周辺部の電流密度の変化と中心部の電流密度の変化との間には、同程度の時間遅れがある。 不純物ガスを加えることによって、プラズマ周辺部にモード数m=2の不安定性が励起されるが磁気揺動計測によって観測された。一方、プラズマ中心部において、m=1の不安定性がm=2の不安定性とほぼ同時に励起されるのが、X線計測によって確認された。中心部での局所的な電流密度プロファイルが周辺部と同時に変化することはありえない。したがって、中心部の不安定性は周辺部の不安定性が成長することによって励起されていることがわかった。
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