1996 Fiscal Year Annual Research Report
半導体材料の中性子照射効果ミクロダイナミクスの研究
Project/Area Number |
08680525
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯田 敏行 大阪大学, 工学部, 教授 (60115988)
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Keywords | 半導体素子 / 中性子照射損傷 / 損傷ミクロダイナミクス / In-situ照射実験 / 中性子誘起発光 / 損傷評価シミュレーション / キャリア放出・捕獲 / 中性子導入欠陥 |
Research Abstract |
中性子照射中の半導体素子試料の電気的特性の変化をIn-Situで高精度測定する装置を開発した。この装置は測定室に置くデータ集録用コンピューターシステムと,場合によっては中性子照射室に持込む耐放射線性を考慮した計測用電子回路で構成されている。これまでに,Si半導体素子を中心に代表的な数種類の素子を14-MeV中性子で照射し,本装置でそれらの電気的特性の変化を測定した。そして,中性子照射高純度Si結晶素子のインピーダンス変化が中性子導入欠陥に基づくキャリアの放出及び捕獲過程の平衡現象として説明できることを明らかにした。この内容については,日本原子力学会において既に2回口頭発表を行い,現在論文投稿中である。また,Si結晶素子の中性子照射による電気的な特性変化を評価するためのシミュレーション計算コードの開発も行っている。さらに,中性子の電気的特性だけでなく光学的特性への影響についても考慮すべく,照射試料として石英ガラス(SiO_2)を取り上げた。そして,中性子反応に基づく微弱発光現象のミクロな測定を行い,そのメカニズムの解明を試みた。中性子反応によって生じる陽子等の軽粒子と反跳原子の重粒子の効果の違いをミクロな視点から考察説明した。現在,他の中性子反応についての効果を解析中である。この部分の考察については,既に国際会議(19th Symposium on Fusion Technlogy,1996,September,Lisbon)で研究発表している。
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