1996 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胎児形態形成障害を指標としたトリチウム生物影響評価
Project/Area Number |
08680539
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
山田 武 東邦大学, 医学部, 教授 (30166714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 ハルミ 放医研, 障害基盤研究部, 室長 (70160645)
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Keywords | 放射線 / β線 / トリチウム / 奇形 / アポトーシス / RBE |
Research Abstract |
本研究はヒトへのリスクを推定する上で重要である器官形成期の障害を指標として、しかも、これまで研究のあまりなされていないIn vitro系を用いて形態形成障害を定量的に解析し、トリチウムのリスクを求めようとするものである。 器官形成には、細胞の増殖、分化のみならずプログラム細胞死(アポトーシス)も必須である。予定外の細胞死が様々な発生異常を生ずることを示唆する報告もあり、細胞死の重要性を一層明白なものとしている。一方、トリチウムβ線を含む放射線は催奇性因子の一つであり、器官形成期の照射により、時期に特異的な奇形が起こることが明らかにされている。しかし、その機構とくに細胞死との関連については、まったく研究が進んでいない。 本研究は、マウス(ICR)肢芽の系を用い、放射線奇形を指標としてトリチウムβ線の生物学的効果比(RBE)を求めることを目的とした。すなわち、指形成の直前の準備期であり、放射線感受性が高い胎齢11日および11.5日に照射し、その影響について、1)マイクロマス(高密度細胞)培養系、2)胎内照射系、ならびに、3)肢芽器官・組織培養系の、3つの実験系について経時的にアポトーシスの検出と、奇形発生の観察を行い、標準X線とトリチウムβ線の効果を比較することとした。本年度は、まず、これら実験系の確立を行った。
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Research Products
(1 results)