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1996 Fiscal Year Annual Research Report

α,α-二置換α-アミノ酸の新規合成法の開発と天然物合成への応用

Research Project

Project/Area Number 08680636
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

千田 憲孝  慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (50197612)

Keywordsα,α-二置換α-アミノ酸 / Overman転位反応 / 糖質 / α-メチルセリン / コナゲニン / スフィンゴフンギン / ミリオシン
Research Abstract

α,α-二置換α-アミノ酸構造を基本骨格とする生理活性天然物は興味ある活性を示すものが多く、次世代の医薬のリ-ド化合物として期待の大きい化合物群である。
本研究では入手容易な糖質であるD-グルコースなどを出発原料として、糖質を不斉鋳型とするα,α-二置換α-アミノ酸の立体選択的合成法の開発を検討した。すなわち糖質から誘導されるトリクロロアセトイミデ-トのOverman転位反応によりα,α-二置換α-アミノ酸前駆体を立体選択的に合成するルートの確立と、本反応を利用した酵素阻害剤、スフィンゴフンギン類、免疫抑制活性を有するミリオシンなどに代表されるポリヒドロキシα,α-二置換α-アミノ酸構造を有する天然有機化合物の全合成研究を行った。
D-グルコース、D-マンノースなどからフラノシド構造を有する5-ウロース誘導体を合成し、このケトン部にWittig反応、それに続く還元によりアリルアルコール誘導体を合成した。これをトリクロロアセトイミデ-トへ変換し、種々の溶媒中、150℃前後で加熱したところOverman転位反応が進行し、ビニルアミドを高収率で得ることができた。この転位反応は基質により1:2〜1:10程度の立体選択性で進行したが、糖質の3位、6位の水酸基の保護基の種類を変化させることにより、立体選択性が変化することが観測された。この選択性については分子力学計算と半経験的分子軌道計算により、ある程度予測することができることが示唆された。
得られた転位体から、これらのフラノシド環部の炭素を取り除くことなどにより、免疫調整活性を有するコナゲニンのアミノ酸部であるα-メチルセリン誘導体の両鏡像体へ導くことができた。また抗真菌活性を有する新規アミノ酸誘導体、スフィンゴフンギンEまたはF、また免疫抑制活性を有するミリオシンの全合成に有用であると考えられる中間体も合成することができた。現在、これらの天然物の全合成を検討中である。

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Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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