1997 Fiscal Year Annual Research Report
マウス乳腺における脂肪球特異的ガングリオシドの発現調節とその役割
Project/Area Number |
08680646
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩森 正男 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90110022)
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Keywords | 糖転移酵素 / 不死化細胞 / 乳分泌 / 毒素受容体 / プロテアーゼ阻害剤 / ガングリオシド / コレステロール硫酸 / 上皮成長因子 |
Research Abstract |
妊娠初期から授乳期にかけて観察されたマウス乳腺糖鎖の顕著な変化を誘導する機序とその役割を明らかにするために妊娠後期乳腺の初代培養細胞とSV-40A255不死化乳腺細胞を用いて実験を行った。 コチゾールと上皮成長因子を含む基本培地で生育させた初代培養細胞はプロラクチン単独刺激で乳分泌を開始した。この変化と連動した糖転移酵素はGM1bα2-6シアル酸転移酵素とセラミドラクトシドβ1-4Nアセチルガラクトサミン転移酵素であって両酵素の作用によってGD1αの急激な増加が引き起こされていることが分かった。同時にコレステロール硫酸基転移酵素の活性化も観察されたが、この酵素は上皮成長因子単独刺激でも誘導され、乳腺上皮細胞の増殖と連動していることが分かった。不死化細胞では同様の条件でコレステロール硫酸基転移酵素が誘導されるが、GD1αの誘導は見られなかった。遺伝子レベルでこれらの酵素の活性が調節されていた。上皮細胞の増殖の連動したコレステロール硫酸の役割を探る目的で、生体内の分布状況を調べた結果、各種酵素の作用から、上皮細胞を保護する役割を想定した。予想通り、コレステロール硫酸は各種セリンプロテアーゼや、DNAアーゼ、糖分解酵素の強力な阻害剤となることが明らかになった。乳腺においても上皮細胞の増殖と連動して合成を促進することにより、乳分泌の過程で乳中に放出される各種酵素の阻害作用を通じて乳腺上皮を保護していると予想される。一方、GD1αは脂肪球皮膜の酸性荷電の主要成分となっており、ボツリヌスA型とE型、破傷風の毒素受容体活性を持っていることが分かった。脂肪球のシアル酸除去は脂肪球の凝集等を引き起こさず、また、形状にも影響を与えないことから、細菌受容体として胎児を保護するのが主要な役割であることが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Iwamori,M., Ohta,Y., Uchida,TY., Tsukada,Y.: "Arthrobacter ureafaciens siahdase isoenzymes,L,M1 and M2,cleave fucosyl GM1." Glycoconjugate J.14. 67-73 (1997)
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[Publications] Kamei,K., Nozawa,S., Iwamori,M.: "Menstrual cycle-associated regulation in the anabolic and catabolic enzyme for luteal phase-characteristic expressionof sulfatide in human endometrium." Am.J.Obst.Gynecol.176. 142-149 (1997)
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[Publications] Cui,Y., Iwamori,M.: "Distribution of cholesterol sulfate and its anabolic and catabolic enzymes in various rabbit tissues." Lipids. 32. 599-604 (1997)
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[Publications] Yoshiki,J., Kubushiro,K., Nozawa,S., Iwamori,M.: "High expression of UDP-galactose:Lc3Cer β1-3 galactosyltransferase in human uterine endometrial cancer-derived cells as measured by ELISA and TLC-immunostaining." Jp.J.Cancer. 88. 669-677 (1997)
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[Publications] Iwamori,M., Iwamori,Y., Ito,N.: "Sulfated lipids as inhibitors of pancreatic trypsin and chymotrypsin in epithelium of the mammalian digestive tract." Biochem.Biophys.Res.Commun.237. 262-265 (1997)
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[Publications] Ito,N., Iwamori,Y., Hanaoka,K., Iwamori,Y.: "Inhibition of pancreatic elastase by sulfated lipids in the intestinal mucosa." J.Biochem.123. 107-114 (1998)