1997 Fiscal Year Annual Research Report
化学的・遺伝子操作法による改変タンパク質の圧力因子を用いた構造構築原理の解析
Project/Area Number |
08680652
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
植野 洋志 京都大学, 農学研究科, 助教授 (30241160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 力丸 京都大学, 農学研究科, 教授 (90027186)
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Keywords | フォールディング / リボヌクレアーゼ / 圧力 / タンパク質 / 遺伝子工学 / 変性 |
Research Abstract |
本研究はタンパク質の立体構造構築を研究する上で圧力を因子として取り入れ,タンパク質工学的に生産する変異タンパク質を中心にその立体構造構築過程を明らかにするとともに,立体構造構築に必須なアミノ酸残基を同定し,構造安定性への寄与を解析することを目的とする。 本年度の成果は:カルボキシペプチダーゼYにおいては,低温で圧力に依存した変性をおこすことを見つけ,そのメカニズムを詳細に検討した。リボヌクレアーゼAにおいては,化学修飾法では研究できないPhe残基の内で,活性中心に位置するPhe120の役割を検討した。結果は,1)カルボキシペプチダーゼYの低温変性は常圧ではおこらないが,400MPaでは-10度Cにて不可逆的に失活し,その失活はタンパク質の立体構造の崩れに起因すること。また,より低圧でおこる不可逆的な失活はメルカプトエタノールの存在により完全に不可逆になることより,圧力による変性は分子内ジスルフィド結合の位置と関連があることが判明した。2)リボヌクレアーゼAの変異タンパク質のより効率的な発現系の確立を行い,4種類の変異タンパク質(F120L,F120W,F120A,F120E)を作成した。活性測定,熱変性などの構造への安定性を検討した結果,Phe120はリボヌクレアーゼAの構造を安定に保つ役割を持つことを見出した。
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