1996 Fiscal Year Annual Research Report
リアノジンレセプターカルシウム遊離チャンネルの分子調節機構の解析
Project/Area Number |
08680673
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古川 賢一 東北大学, 薬学部, 助手 (20165468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 公浩 東北大学, 薬学部, 助手 (90222306)
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Keywords | リアノジンレセプター / Ca遊離 / マイオトキシンa / カルセクエストリン / 骨格筋 / トライアジン / Ca遊離チャネル |
Research Abstract |
本研究の目標は1)カルシウム遊離チャネル活性を調節する因子の探索、2)カルシウム遊離チャネルの構造と機能の関係、特にチャネルのオリゴマー状態とチャネル活性の関係の解明を行うことにある。研究の第一年に当る今年度はチャネル活性調節因子の探索に重点を置いて、研究を進めた。カルセクエストリンは筋小胞体内に存在し、カルシウムを貯蔵する蛋白質であるが、最近の研究からカルシウム遊離活性に関与することが示唆されていた。カルシウム遊離チャネルの活性の指標である^<3H>-リアノジンの結合活性が、精製カルセクエストリンで著しく上昇したが、その活性化を、やはり筋小胞体内在蛋白質であるトライアジンが抑制した。また、トライアジンの分子構造をカルセクエストリンが変化させることも蛋白質化学的手法を用いた解析より突き止めた。この結果はカルシウム遊離チャネル活性をカルセクエストリンとトライアジンが拮抗的に調節していることを示唆する。カルセクエストリンが筋小胞体内のカルシウム結合蛋白質であることから、筋小胞体内のカルシウム濃度のセンサーの働きをしている可能性も考えられるため、筋小胞体内のカルシウム濃度が両蛋白質の作用にどのような影響を与えるかを検討したところ、カルシウム遊離チャンネル活性のカルシウム濃度依存性がこれら蛋白質によっても影響を受けることが示された。また、我々がガラガラヘビの毒から発見したマイオトキシンaは強力なカルシウム遊離活性を有するが、その結合蛋白質の少なくとも1つがトライアジンである可能性が、^<125>I標識マイオトキシンaの結合実験から示唆された。現在トライアジンのカルシウム遊離チャネル活性の調節ならびにマイオトキシンaによるカルシウム遊離におけるトライアジンの関与をより詳細に検討するため、平面膜に精製カルシウム遊離チャネル蛋白を埋め込んでのチャネル開口の電気生理学的な解析を進めているところである。
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[Publications] 古川賢一: "The mechanism of acidic pH-induced contraction in aortae from SHR and WKY rats enhanced by increasing blood pressure." BRITISH JOURNAL OF PHARMACOLOGY. 118. 485-492 (1996)
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[Publications] 古川賢一: "The mode of inhibitory action of α-mangostin, a novel inhibitor, on the sarcoplasmic reticulum Ca^<2+> -pumping ATPase from rabbit skeletal muscle." JAPANESE JOURANL OF PHARMACOLOGY. 71. 337-340 (1996)
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[Publications] 古川賢一: "Ca^<2+> ATPase" JAPANESE JOURNAL OF CLINICAL MEDICINE. 71. 25-30 (1996)
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[Publications] Chairungsrilerd, Nattaya: "Histaminergic and serotonergic blocking substances from the medicinal plant Garcinia mangostana." PLANTA MEDICA. 62. 471-472 (1996)
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[Publications] Chairungsrilerd, Nattaya: "Pharmacological properties of α-mangostin, a novel histamine H_1 receptor antagonist." EUROPEAN JOURNAL OF PHARMACOLOGY. 314. 351-356 (1996)