1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680677
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
深水 昭吉 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (60199172)
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Keywords | アンジオテンシンII / アンジオテンシンノーゲン / 高血圧 / トランスジェニックマウス / 1型受容体 / 2型受容体 / 酵母遺伝学 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
血圧制御系は、生体の恒常性を保つために、重要な役割を果たしている。その中でも、レニン・アンジオテンシン系は、この系の最終産物である生理活性ペプチドのアンジオテンシンII(AII)の産生を通して、血管収縮や水・電解質のバランスを制御し、血圧調節を行っていると考えられてきた。しかし、個体内におけるAII産生系の機能が、直接血圧調節に結びつくという証明はなされていなかったが、申請者の研究グループは発生工学的手法を用いて、レニン・アンジオテンシン系が正常血圧の制御に重要な位置を占めることを明らかにした。 以上の背景より、アンジオテンシン情報伝達系の血圧制御における重要な役割が、個体レベルで理解できた。しかし、多数存在するアンジオテンシン(1a型、1b型や2型)需要体間の情報伝達のクロストーク調節は、全く明らかになっていない。血圧調節機構を解明するためには、AT受容体のシグナル伝達を明らかにすることが重要である。そこで本研究は、アンジオテンシン情報伝達系の分子メカニズムを明らかにするために、以下の3点を行うことを目的とした。 (1)Yeast Two-Hybrid法を用いて、AT1aとAT2に直接結合し、シグナル伝達に関わる未知の重要な分子をクローニングする: ヒト腎臓のcDNAライブラリーから、低分子量Gタンパク質と相同性のある興味深い候補遺伝子のクローニングに成功した。イ-スト内において結合活性を証明することができ、その結合に大切なアミノ酸残基を変異体を作成しながら同定中である。 (2)クローニングした分子と既知のシグナル伝達系との関わりを、細胞レベルで明らかにする: 現在、クローニングした低分子量Gタンパク質とATlaとの結合活性の生物学的役割を解析中である。 (3)遺伝子欠損マウスを作製し、個体レベルでの機能を評価する: 現在、ターゲットベクターを構築中であり、完了後ES細胞を樹立して欠損マウス作製にとりかかる予定である。
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[Publications] Bohlender,J.: "High renin hypertension in transgenic rats." Hypertension. 29[part2]. 428-434 (1997)
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[Publications] Kihara,M.: "The neuronal isoform of constitutive nitric oxide synthase is upregulated in the macula densa of angiotensinogen gene-knockout mice." Lab.Invest.76. 285-294 (1997)
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[Publications] Sugiyama,F.: "Acceleration of atherosclerotic lesions in transgenic mice with hypertension by the activated renin-angiotensin system." Lab.Invest.76. 835-842 (1997)
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[Publications] Kakinuma,Y.: "Anti-apoptotic action of angiotensin fragments to neuronal cells from angiotensinogen knock-out mice." Neurosci.Lett.232. 167-170 (1997)
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[Publications] Sugiyama,F.: "Speedy backcrossing through in vitro fertilization using prepubertal superovulation and neonatal death dependent on genetic background in angiotensinogen-deficient mice." Lab.Amin.Sci.47. 545-548 (1997)
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[Publications] Yanai,K.: "Molecular variation of human angiotensinogen core promoter element located between TATA box and transcription initiation site affects its transcriptional activity." J.Biol.Chem.272. 30558-30562 (1997)