1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680711
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八木 直人 東北大学, 医学部, 助教授 (80133940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 桂輔 大分医科大学, 医学部, 助教授 (50183603)
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Keywords | 骨格筋 / シンクロトロン放射光 / ケ-シドATP / X線回折 / X線イメージインテンシファイア |
Research Abstract |
筑波高エネルギー物理学研究所の放射光実験施設において,単一筋線維を高速x線回折実験を行なった。光源には,マルチポールウィグラーを用いた。これは従来から使用している偏向電磁石と比べて数10倍のX線フラックスを生じるため,単一筋線維でも十分な強度のX線回折像を得ることが可能であった。試料にはラットまたはカエル骨格筋の単一筋線維を用い,細胞膜を界面活性剤で破壊してスキンドファイバーとした。ケージドATPをファイバー内に染み込ませ,その後にキセノンランプを用いてATPを遊離させた。実験は15度で行なった。X線回折像の記録には,X線イメージインテンシファイアとCCDテレビカメラを用いて,4秒間の二次元回折像の変化を毎秒60フレームの時間分解能で記録した。 カルシウム非存在下でATPを遊離した場合には,筋線維は一過性の収縮後に弛緩した。これは,一部のミオシン頭部がATP結合後に張力を発生することを示している。この現象は,ミオシン頭部のアクチン結合の協同性によっていると考えられる。一過性に発生する張力の大きさは,X線回折強度から推定されるアクチンと結合したミオシン頭部の数と矛盾しない。 カルシウム存在下でATPを遊離すると,張力はわずかに低下した後に数10ミリ秒の時定数で上昇する。一方X線回折像では,赤道反射やアクチン層線などミオシン頭部のアクチンへの結合を示すような反射の強度は1/60秒以内に一定値に達し,張力の上昇期には変化が少ない。これは,ミオシン頭部が張力発生以前にすでにアクチンと結合していることを示している。14.5nmのミオシン子午線反射は張力と平行して変化し,これは張力発生時にミオシン頭部の形態が変化することを示している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Honda et al.: "Cross-bridge movemant in rat slow skdetal muscle." Pflugers Arch.432. 797-802 (1996)
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[Publications] Yagi et al.: "Small-angie x-ray Diffraction of Unscle Using Undulator Radiation from the Tristan Main Ring at KEK." Joural of Synchrotron Radiation. 3. 305-312 (1996)