1996 Fiscal Year Annual Research Report
トランスグルタミナーゼの基質としてのゲルゾリン-アポトーシスとの関連-
Project/Area Number |
08680729
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
土居 幸雄 京都女子大学, 家政学部, 教授 (40172233)
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Keywords | ゲルゾリン / アクチン / アクチン調節タンパク質 / トランスグルタミナーゼ |
Research Abstract |
アクチンは細胞骨格の一種として広く真核細胞に分布しており、細胞形態の保持や変化、細胞運動、細胞分裂など細胞活動の全般にわたり深く関与している。アクチンのこれらの働きは、種々のアクチン調節タンパク質により制御されているので、その制御機構を解明することは細胞の働きを理解するうえで重要である。ゲルゾリンは広く脊椎動物の体液や細胞内に見い出されるアクチン調節タンバク質の一つで、そのアクチンに対する作用は多岐にわたる。本研究では、アポトーシスを起こした細胞が不可逆的細胞周期に入ったときその活性が上昇することの知られているトランスグルタミナーゼと、アクチンフィラメントの再構築の制御に関与しているゲルゾリンとが、アポトーシス小体の形成にどのように関連しているかについて検討することを目的とした。 アクチンはカルシウム存在下で細胞内トランスグルタミナーゼの基質となり、そのGln41がアミノ基を持った低分子物質と架橋形成することが知られているが、アクチン分子同志は架橋されない。ゲルゾリンに低分子の蛍光物質を基質として用いたところ、カルシウム存在下で平均1個の標識が入り、その導入部位はゲルゾリンのGln393であることが確認された。また、トランスグルタミナーゼによるこの修飾によりゲルゾリンのアクチン重合促進活性、アクチンフィラメント切断活性には影響がなかった。ゲルゾリンでキャップされたアクチンフィラメントにトランスグルタミナーゼを作用させたところ、アクチンの架橋産物とゲルゾリン-アクチン複合体の架橋産物の生産が観察され、キャップされたアクチンフィラメントの微小な構造の違いがトランスグルタミナーゼにより認識される可能性を示唆した。
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Research Products
(1 results)