1996 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期制御におけるサイクリン調節因子とその機能解析
Project/Area Number |
08680770
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 英紀 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20150394)
|
Keywords | 細胞周期 / サイクリン / 出芽酵母 / 染色体 / スピンドル |
Research Abstract |
M期サイクリンは細胞周期のM期進行を調節する蛋白因子である。本研究では、酵母の遺伝解析と両生類ツメガエル卵抽出液による生化学的解析を併用して、サイクリン機能ドメインの構造と機能を対応づけて解析することにより細胞周期進行におけるM期型サイクリン、特にサイクリンAの生理機能の分子実体を明らかにすることを目的として、以下の実験を行った。 XenopusサイクリンA及びその変異サイクリンを出芽酵母の発現ベクターに導入して酵母内で発現させて酵母の生育停止を引き起こし、FACScan、核染色、チューブリン蛍光抗体染色により酵母の細胞周期進行にどのような効果を与えるかを解析した。サイクリンAの発現は、M期での正常なスピンドルの働きを乱した結果、染色体DNAが分配されることなく、娘細胞にのみ局在する核の異常な挙動を引き起こした。このような、核の異常な動きはサイクリンBや酵母のB型サイクリンC1bの発現でも同様に誘導された。M期サイクリンがスピンドル機能を介してM期における核の動態に関与することが示唆された。現在、酵母生育阻止を抑制する酵母サプレッサー変異株を分離することによりスピンドル機能調節に関る遺伝子をクローニングを行っている。
|
-
[Publications] H.Kobayashi: "The cell cycle and the tumor suppressor genes." Jpn J Clin Pathol. 44. 3-11 (1996)
-
[Publications] S.Miyake: "Indentification of two Xenopus laevis genes,xMCM2 and cCDC46,with sequence homology to MCM genes involved in DNA replication." Gene. 175. 71-75 (1996)
-
[Publications] 小林英紀: "細胞周期の進行調節とサイクリン-Cdk複合体" 蛋白質核酸酵素. 41. 1799-1806 (1996)