1997 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類の分子シャペロン、Hsp90とHdj2の機能相関の解析
Project/Area Number |
08680779
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
南 康文 大分医科大学, 医学部, 助教授 (40181953)
|
Keywords | 分子シャペロン / HSP / タンパク質フォールディング |
Research Abstract |
昨年度(平成8年度)において、Hdj2がHsp40と同定度にHsc70のATPase活性を増大させること、及びHsp40よりも基質結合能が高いことが分かった。そこで、本年度はHsp90共存下に熱変性させたホタル・ルシフェラーゼのリフォールディングについてHdj2の効果を検討した。ルシフェラーゼは熱変性すると同時にHsp90に結合してリフォールディング可能な状態に保持される。そこに、Hsc70とHsp40、そして極微量のウサギ網状赤血球ライセ-トを加えると、速やかにリフォールディングして、活性を回復する。Hdj2は、Hsp40に比べて基質結合能が高いので、Hsc70とHdj2だけでもリフォールディングが起こることが期待された。ルシフェラーゼをHsp90存在下で45℃、5分間熱処理し、完全に失活させた後、Hsc70とHdj2、あるいはライセ-トを加えて、30℃、30分間インキュベートしてルシフェラーゼの活性の回復をルミノメーターで測定した。その結果、Hsc70とHdj2だけではリフォールディングは起こらず、Hsc70とHsp40の場合と同様に、極微量のライセ-ト(それだけではリフォールディングは起こらない)が必要であった。しかも、その効果はHsp40の方がより強く、Hsp90に結合したシフェラーゼのリフォールディングには、Hsc70とHsp40が関わっていることが示唆された。このことは、基質結合能の強弱に関わらず、Hdj2とHsp40はそれぞれが基質特異性やフォールディング反応特異性といった違いを発揮して、役割分担をしている可能性を示しているものと思われる。
|