1998 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類の分子シャペロン,Hsp90とHdj2の機能相関の解析
Project/Area Number |
08680779
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Research Institution | Oita Medical University |
Principal Investigator |
南 康文 大分医科大学, 医学部, 助教授 (40181953)
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Keywords | 分子シャペロン / Hsp / タンパク質フォールディング |
Research Abstract |
昨年度(平成9年度)の研究により、Hsp90存在下で熱変性させたルシフェラーゼのリフォールディングにおいて、Hsc70と共にHsp40を加えた方がHsc70とHdj2の場合よりも効果的であることが明らかになったが、その際でも、さらに微量のウサギ網状赤血球ライセートの添加が不可欠であり、さらに必要な因子の存在が強く示唆された。そこで本年度はこの第三の因子の同定を試みた。網状赤血球ライセートを出発材料にして、DE-52陰イオン交換カラムクロマトグラフィー、硫安分画、セファクリルS-300ゲル濾過、ハイドロキシアパタイト、そしてQ-セファロースカラムクロマトグラフィーを行い、各フラクションの活性(Hsc70、Hsp40と共に加えた時に、Hsp90に結合したルシフェラーゼがリフォールディングする活性)と電気泳動パターンの対比を行った。その結果、約30Kのバンドが活性と共に濃縮されることが判明した。その後の詳しい解析の結果、そのバンドは非常に近接した二本のバンドであることが分かり、それぞれの内部アミノ酸配列(N末端アミノ酸はブロックされており配列の決定はできなかった)の決定から、プロテアソーム活性化因子PA28αとβであることが明らかになった。次に、ウシ血球からPA28複合体(PA28はαとβのへテロヘキサマーである)を精製し活性を測定したところ、Hsc70、Hsp40、PA28だけでルシフェラーゼのリフォールディングが確認された。また、網状赤血球ライセートからPA28を免疫除去(immunodepletion)したところ、活性が失われ、さらに精製したPA28を添加すると活性が回復したことから、網状赤血球ライセート中の活性が確かにPA28によることが示された。
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