1997 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ初期胚を用いた神経特異的遺伝子の発現制御機構の解析
Project/Area Number |
08680789
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
武田 洋幸 名古屋大学, 大学院・理学研究所, 助教授 (80179647)
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Keywords | 神経誘導 / 中胚葉誘導 / ゼブラフィッシュ / オ-ガナイザー / FGF |
Research Abstract |
前脳・中脳のマーカーotx2の発現誘導機構を調べる目的で、オ-ガナイザーの腹側への移植を行った。その結果、epiblastにおいて神経誘導シグナルに対する反応性の違い(differential competence)が前後軸に沿ってかなり早い時期から存在することを見出した。つまり、otx2発現に関するcompetent regionが腹側を含め動物極を中心にした同心円状にepiblastに存在していた。従って、中枢神経系の前後軸形成には、誘導源の性質だけでなく誘導を受ける側(epiblast)に存在するcompetenceの違いが重要であることが判明した(Development、印刷中)。さらに、このotx2-competent regionの後方境界の成立には、卵黄細胞によって胚盤周縁に同心円状に誘導される中胚葉(Mizuno et al,1996)からの後方化シグナルが関与していることが判明した。 これらの実験結果を踏まえて、ゼブラフィッシュにおける神経誘導モデルを提案した。このモデルでは、神経系の前後軸形成は、オ-ガナイザーを含めた中軸中胚葉から分泌される一般的な神経誘導因子(Chordinなど)と、胚盤周縁の中胚葉(non-axial mesoderm)からの後方化シグナルの組み合わせで起こっている。従って、同じ神経誘導因子に対して、胚盤周縁に近いepiblastでは後方化シグナルを受けているために、後方の神経マーカー(hoxa-1など)を発現し、後方化シグナルが到達しない動物極周囲のepiblastでは前方の神経マーカー(otx2など)を発現することになる。このモデルは、従来の中軸中胚葉を中心とした神経誘導モデルに修正を迫るものである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 武田 洋幸: "頭部神経は外胚葉の前方でしか誘導されない-ゼブラフィッシュ外胚葉に存在する応答能の差-" 細胞工学. 16. 373-381 (1997)
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[Publications] Toshiro Mizuno: "Cell and tissue transplantation in zebrafish embryos" Molecular Methods in Developmental Biology-Xenopus and Zebrafish.ed.M.Guille.Humana Press Inc.(印刷中). (1998)
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[Publications] Etsuro Yamaha: "Dorsal specification in the blast oderm at the blastula stage in goldfish,Carassius auratus" Development, Growth and Differentiation. (印刷中). (1998)
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[Publications] Ryoske Makita: "Zebrafish wnt11:pattern and regulation of the expression by the yolk cell and No tail activity" Mechanisms of Development. (印刷中). (1998)
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[Publications] Sumito Koshida: "Initial anteroposterior pattern of zebrafish central nervous system is determined by differential competence of the epiblast" Development. (印刷中). (1998)