1996 Fiscal Year Annual Research Report
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08680818
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
重永 凱男 大阪大学, 歯学部, 教授 (90028770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 新二 大阪大学, 歯学部, 助手 (20263296)
永瀬 佳孝 大阪大学, 歯学部, 助手 (50252698)
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Keywords | 伸張反応 / サクシニルコリン / 軸索内標識 / HRP / 顎反射 |
Research Abstract |
咀嚼筋筋紡錘求心線維をSChの作用を利用して、筋伸張に対する応答を機能的に分類したのち、それらの中枢投射様態と運動ニューロンにおけるシナプス接合の配列様式をHRP軸索内注入法を併用して光学ならび電子顕微鏡学的に観察し、形態の違いと機能との関連性について検討した。 SCh投与後の伸張応答から筋紡錘線維は2群に分類でき、それぞれIa群線維とII群線維に属すると判断した。 光学顕微鏡学的には両群線維とも単極型細胞に属し、その幹線維は三叉神経中脳路を下行し、三叉神経運動核(Vmo)の背側にてProbst路を下行する線維と運動根に加わる線維に分岐した。側副枝はそれぞれの線維から分岐し、Vmo、三叉神経上核(Vsup)またはregionhに終止した。側副枝の投射はIa群線維とII群線維で異なった。すなわち、Ia群線維はVsupよりVmoに有意に分布頻度が高いのに対し、II群線維はVmoよりVsupに有意に分布頻度が高かった。またVmoでは、Ia群が中心部に投射したのに対し、II群は辺縁部に終止した。 電子顕微鏡学的には両群の運動ニューロンにおけるシナプス接合の分布頻度が異なっていた。Ia群線維は幹樹状突起と遠位樹状突起に分布する頻度が同程度であったが、II群線維の大部分は遠位樹状突起に分布した。 以上から、咀嚼筋筋紡錘求心線維は、SCh投与後の伸張応答を分析することにより2群(Ia群線維とII群線維)に分けることができ、両群の筋紡錘線維における中枢投射様態と咀嚼筋運動ニューロンにおけるシナプス接合の配列様式に違いが認められた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Nagase,et al.: "Serotonergic axonal contacts on identified cat trigeminal motoneurons and their correlation with medullary raphe nucleus stimulation." Journal of Comparative Neurology. (in press). (1997)
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[Publications] N.H.Yabuta et al.: "Light microscopic observations of the contacts made between two spindle afferent types and α-motoneurons in the cat trigeminal motor nucleus." Journal of Comparative Neurology. 374. 436-450 (1996)
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[Publications] Y.C.Bae et al.: "Electron microscopic observation of synaptic connections of jaw-muscle spindle and periodontal afferent terminals in the trigeminal motor and supratrigeminal nuclei in the cat." Journal of Comparative Neurology. 374. 421-435 (1996)
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[Publications] 重永凱男: "咀嚼運動と歯の感覚 解剖学者が語る人体の世界" 日本解剖学会編 風人社, 130-132 (1996)