1997 Fiscal Year Annual Research Report
グリア細胞における異常リン酸化タウ蛋白の研究-臨床神経病理および基礎的研究-
Project/Area Number |
08680830
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Research Institution | Tokyo Institute of Psychiatry |
Principal Investigator |
池田 研二 (財)東京都精神医学総合研究所, 神経病理部門, 参事研究員 (90232181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳武 哲 同上, 分子生物部門, 主任研究員 (50090402)
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Keywords | glial fibrillary tangles / neurofibrillary tangles / タウタンパク / 異常リン酸化 / タウ附属タンパク / アストロサイト / 培養細胞 |
Research Abstract |
グリア細胞に出現する嗜銀性異常構造物には、タウ陽性のglial fibrillary tangle(GFT)とargyrophilic thread(AT)があり、アストロサイト、オリゴデンドログリアのいずれにも形態の異なる数種のタイプが認められた。グリア細胞種、形態により分類を行った。この分類に従って、各タイプのGFTとATについて、組織化学および免疫組織化学的性質、ガリアス電顕と免疫電顕所見をNFTと比較した。GFTはNFTと異なりユビキチン等のタウ附属蛋白を伴わず、タウ蛋白のアイソフォルムのうちで短いタイプのみで構成されていた。電顕検索ではGFT,ATともにNFTとは異なり線維形成に乏しかった。各タイプのGFTには異なる疾患親和性が認められた。とくに進行性核上性麻痺と皮質基底核変性症はニューロン・グリア変性疾患であることが明かとなった。 ラット初代培養アストロサイトを用いた実験ではカルシウムイオノホアによりカルシウムイオンの細胞内流入とフォスファターゼ阻害剤のオカダ酸の使用でともに対照に比し、タウ蛋白の異常リン酸化が認められたが、免疫電顕検索ではリン酸化タウ蛋白に線維化は認められなかった。さらにヒトグリオーマ由来培養細胞についても同様の実験を行ったが同じ結果であった。これらの結果は異常リン酸化タウ蛋白の線維化は動物種の違いによるものでなないこと、異常リン酸化と線維化は異なるプロセスであることを示している。
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[Publications] 池田研二 他: "グリアのタウ陽性,嗜銀性構造物(Glial Fibrillary Tangle)の研究(I)分類と疾患特異性." 神経進歩. 40. 147-158 (1996)
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[Publications] Ikeda K: "Glial fibrillary tangles and argyrophilic threads:Classification and disease specificity." Neuropathology. 16. 71-77 (1996)
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[Publications] 池田研二: "神経変性疾患におけるグリアの細胞骨格異常.総論と分類." 脳神経. 48. 885-894 (1996)
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[Publications] Ikeda K,et al: "Corticobasal degeneration with primary progressive aphasia and accentuated cortical lesion in superior temporal gyrus:case report and review." Acta Neuropathol. 92. 534-539 (1996)
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[Publications] Ikeda K: "Basic pathology of corticobasal degeneration." Neuropathology. 17. 127-133 (1997)
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[Publications] Ikeda K,et al: "A subset of senile dementia with high incidence of the apolipoprotein E ez allele." Ann Neurol. 41. 693-695 (1997)
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[Publications] Ikeda K,et al: "Alzheimer's disease:Biology,Diagnosis and Therapeutics" John Wiley & Sons, 9 (1997)
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[Publications] Ikeda K: "Principles of neural aging" Elsevier Science, 15 (1997)