アルツハイマー病における選択的神経細胞死機構

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08680837
• Research Institution: Cancer, Research Institute, Kanazawa University
• Principal Investigator: 善岡 克治 金沢大学, がん研究所, 助教授 (60200937)
• Keywords: アルツハイマー病 / 細胞内情報伝達分子

Research Abstract

アルツハイマー病における選択的な神経細胞死を仲介していると考えられるJNK3情報伝達系に注目し、JNK3結合蛋白の同定およびその解析を試みた。酵母two-hybrid法を用いて単離した新規JNK3結合蛋白(BP#2と命名)について、以下の結果が得られた。
(1)in vivoにおいて、BP#2はJNK1,2,3のうちJNK3と特異的に結合する。
(2)BP#2はJNK3によりリン酸化され、JNK3に対する結合能力を失う。
(3)BP#2は、SEK1(JNKキナーゼ)との結合能も有する。
(4)JNK3およびSEK1は、それぞれBP#2の異なる部位に結合する。
(5)BP#2は、酵母スキャフォールド蛋白STE5とアミノ酸レベルで22%の相同性を示す。
以上の結果から、BP#2はJNK3カスケードにおけるスキャフォールド蛋白として働いていると考えられる。またBP#2/JNK3複合体は、JNK3によるBP#2のリン酸化により解離すると推察される。

Research Products

• [Publications] 善岡克治: "アルツハイマー病における神経細胞死機構" 日本老年医学会雑誌. 35. (1998)
• [Publications] I.Onishi et al.: "Activation of c-Jun N-terminal kinase during ischemia and reperfusion in mouse liver" FEBS Letters. 420. 201-204 (1997)
• [Publications] Y.Mizukami et al.: "A novel mechanism of JNK1 activation" J.Biol.Chem.272. 16657-16662 (1997)