1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680838
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
細野 隆次 金沢大学, 医学部, 教授 (40019617)
|
Keywords | Caenorhabditis elegans / unc-18 / 神経伝達 / シナプス / syntaxin / unc-13 |
Research Abstract |
シナプス伝達、特にシナプス前終末での情報伝達分子機構解明を目指している。シナプス前終末では、シナプス小胞の挙動からその過程がTargeting,Docking,Priming,Fusion及びExocytosisに大別される。本研究では初期段階であるTargetingと最終段階のExocytosisを中心に解析した。そのため、各段階に働く遺伝子を同定し、遺伝子産物の相互作用をin vitroで解析する手法を採用した。 Syntaxinをコードする遺伝子を同定し、本タンパクの生化学的性状を明らかにした。次いでin vitroでUNC-18タンパクと結合することを明らかにした。UNC-18はシナプス小胞と親和性があり、14-3-3タンパクと類似性がある。こうしたことから、UNC-18はSyntaxinのconformationを変化させ、シナプス小胞と結合させるシャペロンタンパクである、とする仮説を提示した。この仮説を証明するため、unc-18突然変異体がコードするタンパクとの結合実験を行っている。 一方、Exocytosisにはfast exocytosisとslow exocytosisの2つのヘテロな過程が電気生理学的実験から明らかにされている。fast exocytosisはsyntaxinとsynaptotagminの相互作用によることが判明しつつあるが、slow exocytosisについては全く不明である。我々はこの段階にもsyntaxinが関与していると考え、syntaxinと結合する他のCa^<2+>-センサータンパクを探索した。その結果、UNC-13がsyntaxinと結合することを発見した。UNC-13については既に多数のmutantを得ており、これらがコードする変異タンパクとsyntaxinの結合実験からこの過程の詳細を明らかにしつつある。
|
-
[Publications] Toshihiro Sassa: "The Synaptic Protein UNC-18 is Phosphorylated by Protein kinase C." Neurochemi.Int.29. 543-552 (1996)
-
[Publications] Hisamitsu Ogawa: "Expression,Purification,and Characterization of Recombinant C.elegans UNC-18" Neurochemi.Int.29. 553-563 (1996)
-
[Publications] 細野隆次: "センチュウにおける性決定の分子遺伝学" 科学. 66. 633-640 (1996)
-
[Publications] 細野隆次: "ネオ生物学「線虫」C.elegansニューロン" 共立出版(印刷中), (1997)
-
[Publications] 細野隆次: "「医学のための基礎分子細胞生物学」神経" 南山堂(印刷中), (1997)