1996 Fiscal Year Annual Research Report
NGFによるPC12細胞からの神経突起誘導とMAPキナーゼ
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08680857
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
佐野 護 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 形態学部, 室長 (60090429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 哲子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 形態学部, 助手
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Keywords | NGF / 神経成長因子 / PC12D細胞 / MAPキナーゼ |
Research Abstract |
NGFによって神経突起が誘導される現象は、MAPキナーゼシグナル伝達系の活性化に基ずく遺伝子制御によるとの仮説が、多くの総説で確定したごとく表現されている。我々が進めてきたPC12D細胞の系で、NGFによる神経突起誘導におけるMAPKシグナルの関与について、再検討する事が主たる目的である。(1)MAPKを制御する酵素MEKの特異的阻害剤PD98059をPC12D細胞に処理すると、NGFによるMAPKの活性化は、酵素活性、酵素自体のチロシン燐酸化の両面から、確かに阻害されたが、この条件で神経突起誘導、ラッフルの形成、生存維持作用など、多くのNGF作用が維持された。NGF作用は必ずしも、MAPKの活性化をシグナルとするものではない事を示唆できた (論文準備中)。(2)NGFによる神経突起誘導に、RNA,タンパク質の合成がかかわるか否かについては、PC12細胞では、必要であり、議論されている。PC12D細胞で検討した結果、少なくとも短時間では、RNAやタンパク質の合成が完全に阻害された条件下で、神経突起の誘導が可能であることが実証された(Brain Res.1996)。 (3)ヒストン脱アセチル化酵素を阻害するトリコスタチンAが、NGFによる神経突起誘導を阻害するが、dbcAMPやスタウロスポリンによる突起誘導を阻害しない事実を見いだした(Brain Res.1996)。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] SANO MAMORU: "Re-examination of the local control by nerve growth factor of the outgrowth of neurites in PC12D cells." Brain Research. 730. 212-222 (1996)
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[Publications] SANO MAMORU: "Inhibition of the nerve growth factor-induced outgrowth of neurites by trichostatin A requires protein synthesis denovo in PC12D cells." Brain Research. 742. 195-202 (1996)